- #1
- #2
格闘技PRESSBACK NUMBER
「このムキムキな僧侶、もしかしてブアカーオ?」40歳でRIZIN参戦…K-1の伝説ブアカーオが語る肉体美の理由「自分の身体を愛している」
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2023/05/04 17:03
『RIZIN.42』で安保瑠輝也と対戦する40歳のブアカーオ・バンチャメーク。筋骨隆々の肉体を維持する秘訣や、僧侶としての生活について語った
タイは敬虔な仏教徒が多い国だ。成人男性が出家して、親や目上の者に対して「徳を積む」という文化が21世紀になった現在も残っている。もう10年以上前の話になるが、魔裟斗のトレーナーをやっていた酒好きのタイ人が「出家する」と宣言するや、その間は酒をピタリと止めた姿を目の当たりにして驚いたことがある。
ファイターとて出家している間は試合が決まったとき以上に厳しい生活をしなければならない。ブアカーオは「自由時間も制限されるし、食事も1日1回しかとれなかった。いまも体調管理には気をつけているけど、それ以上に大変でしたね」と僧侶として過ごした日々を振り返った。
K-1のファイトマネーを仕送りしていた妹は…
MAXに出場していたときは“タイの貧困層出身”というキャラクター設定で、ファイトマネーの一部を家族に仕送りして、そのお金で妹が学校に通っていたという美談がテレビ中継の煽りVで何度も繰り返し放送されていた。
ADVERTISEMENT
後年、ブアカーオは当時所属していたジムから法外といえるほどの搾取を受けていたことが判明。彼の独立をめぐる裁判はタイの一般メディアを賑わせたが、その事実を踏まえると「なけなしのお金」を仕送りしていたことになる。
あの妹はいま、どうしているのだろうか?
「もう結婚して、子供もひとりいます」
いまも彼女にとっては「自慢の兄」?
「いやいや、自分の家族は妹も含め、自分のことを自慢したりはしない。みんな自分たちの生活や仕事を大切にしています」
最初にMAXのトーナメントで優勝してから19年。鋼の肉体は変わらない一方で、ブアカーオを取り巻く環境は大きく変化していた。
<続く>