オリンピックへの道BACK NUMBER
シーズン開幕前にスポンサーと契約終了…友野一希24歳が“正念場の1年”で考えたこと「何を弱気になっているんだろう」「さすがと言われる選手になりたい」
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAsami Enomoto
posted2023/04/24 17:01
フリー『喜歌劇「こうもり」序曲』の冒頭、指揮のポーズをとる友野一希。今季はスポンサー探しもする試練の一年となったが、本人は…
「ほんとうに少しずつだと思いますね」
もっと飛躍したかった内心をにじませつつ、でも成果も感じとっていた。
「やってきたことが間違いじゃなかったなと。成長できているということを実感できました」
スポンサー問題にも進展が…
5月に25歳の誕生日を迎える。20代前半で競技を終える選手も少なくない中、友野は20年近くにわたってキャリアを長く積み重ねてきた。それでもスケートへの熱がさめることはない。むしろこれまで以上に熱をもって取り組もうと感じさせる姿を見せてきた。それが今なお成長を続け、昨シーズンからまた一歩先へと進めた原動力だ。
直面していたスポンサー問題にも進展があった。今年2月には医療機器メーカーの「コラントッテ」とアドバイザリー契約を結び、3月にはフラワービジネスの総合商社「HDフラワーホールディングス」とスポンサー契約をかわしたのだ。支援の手をあげるところが出てきたのも、その姿勢が評価されたからに他ならない。
世界選手権からアイスショーを経て臨んだ世界国別対抗戦は、さすがに調整が難しかった影響が出て、本来の演技はできなかった。
このメンバーで戦ったから足りないところも見つかった
「基礎力をもっとあげたいです 」
と課題をあげつつ、こう語った。
「ほんとうに楽しかったです。チーム戦で、このメンバーで戦ったから足りないところも見つかったんだと思います」
「(国別対抗戦に)また出たいですね。『さすが』と言われる、そういう選手になりたいです」
成長を感じとることができたシーズンの最後に出場した「初めての舞台」もまた、次へ向かって行くための貴重な時間であった。
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