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バレーボールPRESSBACK NUMBER
“お前の時代が始まるな”…18歳イケイケ西田有志を優しく見守った藤井直伸「藤井さんと一緒じゃなかったら、今の僕はいない」
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byAFLO
posted2023/04/21 11:04
18歳で日本代表に初招集され、鮮烈デビューを飾った西田有志。当時コンビを組んだ藤井直伸のトスで世界が広がった(写真は19年ネーションズリーグ)
「藤井さんがやりたかったバレーボールを、自分が楽しんで、体現して、結果を出したい。バレーボールができる幸せに感謝して、マジで頑張ろう、って思ったんです」
西田はすでに6月から始まるネーションズリーグに向けて日本代表合宿に合流した。9月から10月にはパリ五輪の出場をかけた予選も開催される。未だ体調不良の原因は解明せず、寛解したわけではない。加えて、Vリーグから日本代表へ続くハードスケジュールも変わらずだが、今よりもっと大きく、強い自分になって描く目標を叶えることしか考えていない。
もちろん1人ではなく、心の中に生き続ける、大事な仲間も一緒だ。
「めちゃくちゃ痛いハイタッチも『ダッチー、えぐいわー!』って、藤井さんの甲高い声が今も頭に残ってる。今でもずっと、いるんですよ」
すべての感情、経験、出来事を力に変えて。これからも戦い、吼えてやる。今にも聞こえてきそうな『ダッチー!』と笑顔で呼ぶ、あの声と共に。
西田有志(にしだ・ゆうじ)
2000年1月30日生まれ、三重県出身。身長186センチ。ジェイテクトSTINGS所属。ポジションはオポジット。海星高校を卒業した直後の18年5月に日本代表デビュー。18-19シーズンにはリーグ最優秀新人賞、19-20シーズンに最高殊勲選手賞・得点王・サーブ賞を受賞。東京五輪では8強入りに貢献し、昨季はイタリアのビーボ・ヴァレンティアでプレーした。