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バレーボールPRESSBACK NUMBER
“お前の時代が始まるな”…18歳イケイケ西田有志を優しく見守った藤井直伸「藤井さんと一緒じゃなかったら、今の僕はいない」
posted2023/04/21 11:04
18歳で日本代表に初招集され、鮮烈デビューを飾った西田有志。当時コンビを組んだ藤井直伸のトスで世界が広がった(写真は19年ネーションズリーグ)
text by

田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
AFLO
2018年、ネーションズリーグフランス大会。当時、高校を卒業してまもない18歳だった西田有志は、初めて日本代表に選出された。大会期間中、同部屋で時間を過ごしたのがセッターの藤井直伸だった。
楽しみと緊張。経験したことのない感情を抱いた開幕前夜、藤井が西田に言った。
「やっと、お前の時代が始まるな」
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その言葉通り、この大会で西田は鮮烈な代表デビューを飾る。
初戦オーストラリアに快勝し、2戦目は開催国フランスに敗れたものの、3戦目のイランに3対1で勝利した。アジアのライバルとしてしのぎを削るイランに勝利したのは3年ぶりの出来事だったが、代表に入る前は国際試合をほとんど見たことがなかった西田は、まるで子供のように、ただただはしゃいで楽しそうにプレーしていた。そんな西田を、藤井がからかう。
「俺は毎日緊張しているのに、お前は能天気でいいな」
ピュッと速いトス「俺、めっちゃ好きやわ」
背番号「32」をつけた18歳。突如現れた新星は誰よりも楽しそうだった。初めて対戦する世界を相手に自分がどれだけ通用するか。壁が高ければ高いほど燃える。西田の性格そのものでもあったが、楽しめたのには、もう1つ理由があった。
「高校時代まではもちろんですけど、ジェイテクトに入ってからもほとんど高いトスしか打ったことがなかったんです。でも初めて、藤井さんとコンビを組んだ時に、藤井さんからライトにピュッと速いトスが来た。うわ、これ何や。でも俺、めっちゃ好きやわ、って。あのトス、藤井さんと一緒じゃなかったら、間違いなく今の僕はいないです」

