エースの山本由伸も、登板日は瓜野とキャッチボール、遠投を行い、そのまま2人でブルペンに向かうのがルーティンだった。

　瓜野は、山本が入団した時の衝撃を鮮明に覚えている。まだ球団施設が神戸市にあった2017年1月、初めて山本がブルペンに入った時、見守ったコーチも記者陣も度肝を抜かれたが、その時ボールを受けたのが瓜野だった。

「ヤバかったですね（笑）。最初は、なんか野手投げだなーと思っていたんですけど、そのコンパクトな投げ方から、えぐい球が来る。『この子、4位でよー取れたな』と思いましたよ。今や球界ナンバーワンピッチャーですからね（笑）。持っているものはすごかった。（同期の山崎）颯一郎もバラ（榊原翼）もそう。あの高卒の同期3人はすごかった。『君ら高校時代打たれたことないでしょ？』って聞いたら、『打たれましたよ』と言うから、『嘘やん！』って。そのぐらいすごかったですね」

17年1月、新人合同自主トレに参加するルーキー時代の山本由伸と山崎颯一郎。瓜野はその成長を見守ってきた　©︎Sankei Shimbun

　そこから昨年までの6年間、山本のボールを一番受けてきたのが瓜野だ。

「特別」と語る2人のプロフェッショナル

「僕がオリックスで13年間見てきた中で、一番プロフェッショナルだと感じたのは、金子千尋さんと由伸です」と言い切る。

「あのクラスになるとやっぱり違います。すべての面において、プロフェッショナル。食べ物や、プライベートに関しても、すべて野球に通じることしかしない。お酒を飲まない、揚げ物を食べないとか、野球にマイナスになることは絶対にしないんです。その上でサプリメントだとか必要なものをしっかり摂取する。すべてが野球のため。人生の懸け方が全然違います。それに芯が強い。ブレない。あの2人は特別です。

　一つのことをずっと続けられなくて、1年経ったらまた別のことをやっている、という選手は、結果もなかなか長くは続かないんですけど、由伸は誰に何を言われてもブレずにやり続けていました」

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