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アーモンドアイは桜花賞で“実は2番人気”だった…ルメールと調教師の言葉で振り返る、「性別を超える名馬」はいかに誕生したのか?

posted2023/04/09 11:01

 
アーモンドアイは桜花賞で“実は2番人気”だった…ルメールと調教師の言葉で振り返る、「性別を超える名馬」はいかに誕生したのか?<Number Web> photograph by JIJI PRESS

2018年の桜花賞を制したアーモンドアイとクリストフ・ルメール

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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 今年の桜花賞は、2歳女王リバティアイランドの一強ムードだ。やや離れた2番人気になるのは、年明けのシンザン記念で牡馬勢を一蹴したライトクオンタムか。

 この勢力図にオーバーラップする一戦として思い出されるのは、2歳女王ラッキーライラックが単勝1.8倍の圧倒的支持を得て、シンザン記念を制したアーモンドアイが2番人気となった、2018年の桜花賞である。

桜花賞で実現した「ラッキーライラックvsアーモンドアイ」

 ラッキーライラックは3戦3勝で2017年の阪神ジュベナイルフィリーズを制し、年明け初戦となった桜花賞トライアルのチューリップ賞を完勝していた。桜花賞に向けて、死角は見当たらなかった。

 好位からでも、後ろからでも競馬ができるセンスがあり、末脚もしっかりしていた。阪神ジュベナイルで見せたラスト3ハロン33秒7の末脚は、コースが改修された2006年以降の勝ち馬で最速の上がりだった。つまり、ラッキーライラックは、ウオッカ(34秒2)やブエナビスタ(34秒8)といった歴史的名牝より鋭い末脚を発揮したのだ。

 実際、2018年4月8日の第78回桜花賞でも、ラッキーライラックは完璧なレース運びをした。好スタートから3番手の内を進み、ラスト400mを切ったところで満を持してスパート。ラスト200m地点で先頭に立ち、勝負あったと思われたが――。

 次の瞬間、外から1頭の馬が凄まじい勢いで伸びてきた。

 アーモンドアイである。

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