欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「カマダを知っているか? 彼はすごいぞ」地元ファンが思わず相手サポーターに自慢、ドイツ名物記者が解説する「鎌田大地は何がすごい?」一方、本人は…
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byJIJI PRESS
posted2023/04/09 17:01
地元ファンからも信頼を置かれている鎌田。CL決勝トーナメントも経験した本人に現在のポジションでの手応えを聞くと…
「彼は中盤の戦略家だ。オフェンシブな選手だが、守備における取り組みもしっかりと頭の中に持っている。身体を張って守り、スライディングタックルで相手からボールを奪うというプレーも見せてくれている。
私が彼のプレーで特に驚いているのが、あの冷静な狡猾さだ。何物にも動じずに冷静に決定的なプレーを披露している。相手が嫌がるようなプレーを自然としてみせる。そしてそのことを正しく認知している」
ゴールやアシストの数字がついてこないポジション
自分が担うタスクを正しく理解し、チームの勝利のためにそれを実践しつつ、虎視眈々と得点シーンに絡むのが鎌田の良さだ。これまではトップ下、あるいは攻撃的なサイドのポジションが主戦場だったので、よりゴールやアシストという数字がメディアからもフォーカスされがちだった。だから数字がついてこないと、「調子が悪い」とか、「機能していない」というニュアンスの記事が増えてきてしまう。
現在、鎌田がフランクフルトでプレーするポジションはボランチだ。最近では日本代表でもこのポジションでプレーすることが増えてきている。ゲームをオーガナイズし、攻守のバランスをコントロールすることが求められるポジションだ。鎌田自身もそんな自分のプレーについて次のように話をしていた。
求められていることをしっかりやる
「前半戦良く点を取っていたし、多くの人からは自分が得点だったりアシストするっていうところで、そういう目では見られます。けど、チームとして求められていることをしっかりやるっていうのが大事ですから。戦術によっては後ろにいないとダメな試合もある。僕自身、ゴールは取れる時に取れたらいいとは思いますけど、それよりもやっぱり監督に求められていることをやりつつ、それプラスアルファでやれたらいいかなという風には思います」