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「カマダを知っているか? 彼はすごいぞ」地元ファンが思わず相手サポーターに自慢、ドイツ名物記者が解説する「鎌田大地は何がすごい?」一方、本人は…
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byJIJI PRESS
posted2023/04/09 17:01
地元ファンからも信頼を置かれている鎌田。CL決勝トーナメントも経験した本人に現在のポジションでの手応えを聞くと…
昔のサッカーでいえば、ゲームメーカーに属する選手
鎌田はチームメイトの特徴に彩を加えることができるのも特徴だ。以前左サイドに強引なドリブルと高いクロス精度を誇るセルビア代表フィリップ・コスティッチがいたころは、彼の持つスピードと突破力を生かすために早目にパスを展開して、ゴール前に侵入することが多かった。今はチャンスメイク能力が極めて高いドイツ代表MFマリオ・ゲッツェや前線で異質の存在感を放っているフランス代表FWランダル・コロムアニがいるので、彼らがより力を発揮しやすい状況でパスを供給するのがチームにとって大切だ。そして実際にボールが鎌田を経由することでそうした状況が生まれることが多い。
シェルツァー記者も鎌田のプレーをこんな風に評していたことがある。
「ボランチ、トップ下、アンカー。選手を表す表現はいろいろあるが、今日のサッカーではそれはポジションを表す数字のようなものでしかない。選手の能力に応じたタスク実践力が重要になるからだ。
鎌田は昔のサッカーでいえば、ゲームメーカーに属する選手だろう。私の解釈ではゲームメーカーというのは、攻撃における想像力を持っている選手のことだ。鎌田はまさにそうだし、それでいて守備や他の役割をおろそかにすることもない。信頼できる選手だ」
CLナポリ戦で感じた差
フランクフルトはチャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦でナポリの前に沈んだ。イタリアリーグのセリエAで首位を独走している強豪は強かった。
鎌田も「やっぱりナポリにはすごい差をつけられたと感じた」とそのことを認めながら、だからと言って勝つチャンスが全くなかったかというとそうではないと受け止めていることを明かしている。
「悔しいというか、すごいもったいないことをしたなって。ホームに関しては。前半失点するまではパーフェクトな試合内容で、そこで自分達のイージーなミスの仕方でPK与えたり、ホームで(試合を)やれてるのに退場者を出してしまったり。なんかすごいもったいなかったなというのはあります。差はあるんですけど、でも僕達全員がいいパフォーマンスでパーフェクトな試合をしてればチャンスはあったと思う」