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鳥谷敬が目撃した“佐々木朗希の3年計画”「レベルが違う」と驚いた“18歳のギアチェンジ”とは?「若い頃なら打席に立ってみたいかな」

posted2023/04/06 11:04

 
鳥谷敬が目撃した“佐々木朗希の3年計画”「レベルが違う」と驚いた“18歳のギアチェンジ”とは?「若い頃なら打席に立ってみたいかな」<Number Web> photograph by KYODO

4月6日の日本ハム戦で今季初登板のマウンドに立つロッテ佐々木朗希(21歳)

text by

佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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KYODO

 2023年4月6日、千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希(21歳)が、本拠地ZOZOマリンスタジアムのマウンドで今季初登板を迎える。あの「完全試合」から1年、WBCで“世界”を経験した怪物はどんな姿で登場するのか。大きな飛躍を遂げる姿をチームメイトの立場から見守ってきた鳥谷敬(2020〜21年在籍)が、その足取りを振り返る。
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 昨シーズン限りで現役生活を終えた鳥谷敬は、自身のキャリアの最後の2年間を過ごしたロッテで怪物伝説の胎動期を目にしている。2020年、再起をかけた新天地で、ドラフト1位ルーキーとして注目を浴びていたのが佐々木朗希だった。

18歳の“柔らかさ”と“しなやかさ”

「開幕前の練習で佐々木投手がシートバッティングに登板したときに、後ろを守っていたんです。150キロ台のボールを投げてバッターにホームランされたんですが、その直後、ギアが替わった。パッと力を入れて162、3キロを涼しい顔で投げて抑えていました。そもそも高卒1年目である程度力をセーブしながら投げているピッチャーは稀ですし、そこからギアを上げて投げる、ということをできるのが凄い。ちょっとレベルが違うな、と感じました」

 当時は、未知なるウイルスの蔓延でプロ野球開幕が延期された不安な状況下。誰の目もないZOZOマリンスタジアムでの練習中に見た18歳のマウンドでの姿は、鳥谷の目にも鮮烈だったという。

「打席には立っていないのですが、後ろから見ていても独特のしなやかさを感じました。実際に腕を振っている感じ以上に、バッターが打席で球速を感じるだろうな、と。同じ高卒のピッチャーでいえば、阪神時代に藤浪(晋太郎)投手が入ってきた時も球のスピードには驚きましたが、体の使い方という意味では藤浪投手には力強さを感じたのに対して、佐々木投手は柔らかさ、しなやかさが印象に残りました」

 このシーズン、佐々木朗は一軍に帯同しながら自身の体づくりに専念した。異例の育成方針だったが、そこにははっきりとしたビジョンを感じていたという。

【次ページ】 「逆算してステップを踏んでいる」

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