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格闘技PRESSBACK NUMBER
スパーで鼻血、試合では一撃KO…“戦うラウンドガール”宮原華音がキックボクサーとしてリングに立つ理由「私たちも格闘技に本気なんです」
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byShigeki Yamamoto
posted2023/04/08 17:03
RISEのラウンドガールでありながら、選手としてもリングに上がる宮原華音。小学生時代には空手の全国大会で3連覇を成し遂げている
――ラウンドガールの仕事は、ラウンド間のわずか60秒。その短い時間を、どんな意識で過ごしているんでしょうか。
宮原 自分自身がすごく楽しむこと。私の場合はそれに尽きるかもしれません。結果的に私をきっかけにRISEを知ってくださる方がいたり、「またあのラウンドガールを観たいな」と思ってもらえたら、それがなにより嬉しいですね。
――ラウンドガールに好意的な格闘技ファンも多いと思いますが、一方で「ラウンドガールなんて必要ない」という硬派な意見も耳にします。
宮原 たぶん、私もわりと後者の考え方に近い(笑)。でも、いらないとは思わないですね。会場まで足を運んで真剣に試合を観ていたので、ハードコアな格闘技ファンの気持ちも理解しつつ、同時に「あなたたちのように、ラウンドガールも格闘技に本気なんですよ!」と伝えたいです。ラウンドガール仲間も、みんな格闘技が大好きですから。
スパーで鼻血、母は「また試合に出るの?」
――その本気度が、1月のアマチュアキックボクシングでのデビューにつながったと推測します。なぜ、もう一度自ら戦うことを選んだんでしょうか。
宮原 格闘家の方々のYouTubeをずっと観ていたら、キックにもアマチュアがあり、しかもポイント制の試合があることに気づいたんですよ。誰にも言わなかったけど、「いつか私も出たい」という気持ちを心の中でずっと温めていました。
――伝統派空手のルールもポイント制ですからね。重なり合う部分があった?
宮原 そうですね。「ポイント制だったら、自分も楽しめるかも」という気持ちはありました。そうした矢先に、MCを務めさせていただいているラジオ『RISE STUDIO』で私メインの企画の話になり、RISEの伊藤(隆)代表から「やっぱり『宮原華音、試合までの道のり』だよね」と背中を押されたんですよ。もう「押忍」としか返せなかった(笑)。
――ちなみに、ご家族の反応は……?
宮原 お母さんからは「また試合に出るの?」と突っ込まれました(笑)。ケガもあって空手を辞めたので、それを心配してくれているみたいです。
――芸能界だと顔や体に傷を作るのは他の仕事以上に忌避されそうですが、そのあたりはどうなんでしょうか。
宮原 社長も一緒にジムに通っているんですけど、むしろ「もっと本気でやれよ」と言ってきます(笑)。
――適性に合ったプロダクションですね(笑)。
宮原 ただ、私がやっていた空手だと帯より下の攻撃は反則だったので、キックの練習でローを食らいすぎたときには初めてアザができました。その日はスパーで鼻血も出して、さすがに「あれ、私は何をやっているんだろう……?」と思ってしまいましたね(笑)。