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スパーで鼻血、試合では一撃KO…“戦うラウンドガール”宮原華音がキックボクサーとしてリングに立つ理由「私たちも格闘技に本気なんです」 

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph byShigeki Yamamoto

posted2023/04/08 17:03

スパーで鼻血、試合では一撃KO…“戦うラウンドガール”宮原華音がキックボクサーとしてリングに立つ理由「私たちも格闘技に本気なんです」<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

RISEのラウンドガールでありながら、選手としてもリングに上がる宮原華音。小学生時代には空手の全国大会で3連覇を成し遂げている

東京ドームのリングは「始球式よりも緊張しました」

――ラウンドガールとして一番の思い出を教えてもらえますか。

宮原 やっぱり東京ドームの『THE MATCH 2022』に出させていただいたことです。まさか自分があの大会でラウンドガールをやるとは思っていなかったので、ひとりの客としてチケットを買っていたんですよ。もう売り出された瞬間“即買い”でした(笑)。なので、ラウンドガールの話をいただいたときは本当にうれしかったです。

――自分でチケットを購入していたとは……。

宮原 『THE MATCH』のちょうど10年前、三愛の水着イメージガールをやっていた16歳のときに、東京ドームの日ハム対ロッテで始球式に出ているんです。それから丸10年経って、同じ球場に戻ってこられたのは感慨深かったですね。

――それもまた運命的ですね。始球式のときにマウンドから見た風景と、リングから見たそれの違いはありましたか?

宮原 こんな言い方をすると怒られてしまうかもしれませんけど、ラウンドガールをやったときの方が100倍くらい緊張しました。始球式のときはまだ怖いもの知らずというか、何もわからないままドームに行って、ちょっとだけ練習して本番に臨んだ感じだったので。

――『THE MATCH』を迎えるにあたり、何か特別なことはしていましたか?

宮原 1カ月ほどかけて、ダイエットをして臨みました。いい体を作れば、自信を持って表に出られますから。

――『THE MATCH』はRISEとK-1の対抗戦だったので、K-1側のラウンドガールもいましたよね。“対抗勢力”としての意識は……。

宮原 バチバチな雰囲気はまったくなくて、控室でも仲良くさせていただきました。でも絶対に比べられると思ったし、自分のせいでRISEの印象がマイナスになるのはイヤだったので、心の中では「負けられないな」と思っていましたね。

――ラウンドガールも水面下で“対抗戦”をしていたんですね……。ちなみにRISEの選手の中で“推し”はいるんでしょうか。

宮原 どの選手も大好きで思い入れがあるので、ホントに選べないです……! RISE以外でいいなら、浜崎朱加選手。強いし、カッコいいし、めちゃくちゃ尊敬しています。

「ラウンドガールも格闘技に本気なんですよ!」

――ラウンドガールとしての失敗談はありますか。

宮原 思い出したくないけど、ちょくちょくあります(笑)。歩くだけなのに緊張して躓いてしまったり、ペアで動かなければいけないのに先に動いてしまったり……。お客さんに手を振っているうちにカウント(秒数)がわからなくなってしまったときや、選手が四方に礼をして帰るときに自分の立ち位置とかぶってしまったときには、「邪魔をしてしまった」とただただ申し訳なくて……。

【次ページ】 スパーで鼻血、母は「また試合に出るの?」

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