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大谷翔平の筋肉を触って「朗希、まだまだやな」夢のような“二刀流生活”を終えた吉井監督、休む暇もなくロッテ帰還「ワクワクするチームつくる」 

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梶原紀章(千葉ロッテ広報)

梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara

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photograph byNaoya Sanuki

posted2023/03/27 17:01

大谷翔平の筋肉を触って「朗希、まだまだやな」夢のような“二刀流生活”を終えた吉井監督、休む暇もなくロッテ帰還「ワクワクするチームつくる」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

佐々木朗希を1年目から見守ってきたロッテ吉井理人監督。侍ジャパンでは投手コーチとして、怪物の世界デビューを見届けた

 プロ野球チームの監督と代表チームの投手コーチの二刀流という異例の形で挑んだ今大会。マリーンズ離脱後はオンラインでコーチミーティングに参加をして首脳陣と毎日、意見交換を行ってきた。

 本大会が始まると試合が終わるまでは侍ジャパン。ゲームが終わって寝るまでがマリーンズを考える時間。また起きたら侍ジャパンと、思考を転換するタイミングを明確に線引きすることで気持ちの整理した。アメリカ移動後は気になって午前4時ぐらいに目を覚まし、オープン戦の映像を見た。そんな日々だった。

 だから世界一となった後は速やかに気持ちを切り替え、マリーンズの事を想った。現地時間の午前2時過ぎに記者会見などを終えてホテルに戻ると、マリーンズのオープン戦の映像を見入った。今後の打つべき手をあれこれ考えた。気が付けば午前7時を過ぎ、帰国のため空港への出発時間となっていた。だからその日は一睡もせずに、帰路についた。

 日本に到着すると桜が目に入った。「桜が咲いていることに驚いた」と思わず笑みがこぼれた。季節は確実に動いていた。プロ野球の開幕が近づいている証だ。「よし、次はマリーンズが優勝する番だ」と自らの心に約束をした。

 夜遅くに自宅に戻ると少しだけ野球を忘れる時間があった。2匹の愛猫とリビングで戯れるのが吉井監督にとっての至福の時である。駐車場に捨てられていた雑種の猫を拾って育てた。雄の黒猫。そしてもう一匹は雌のアメリカンショートヘア。一日中、ずっと野球の事を考える日々から、ほんの少しだけだけど、離れられる大切な時間だ。

 ただ、翌朝には新幹線に飛び乗り、この日からオープン戦で指揮を執るため名古屋入り。午前11時半には宿舎に到着し、チームに合流し、気持ちを切り替え、次なる戦いに向かった。

「マリーンズもプロの集団になってほしい」

 今回の大会期間中に一流の共通点を改めて再認識させられた。

「自分で考えて行動ができる。自分でやらないといけないことをしっかりと考えて、やることをやる。誰も見ていなくても、言われなくても、どんな時も手を抜かず今、自分がしないといけないことに取り組む。マリーンズも、そんなプロの集団になってほしいと改めて思った」と、目の前で見てきた超一流プレーヤーの立ち振る舞いとマリーンズの若手たちの将来の姿を重ねてみたりした。

 新チームで大事にしているのは自主性というよりは主体性。思い描いている理想のチームを作るためにみんなで、まい進していく。これから始まるのはペナントレースという長丁場の戦い。新しい人との縁を沢山、作り、全員で未来を創っていく。その先に成功が待っている。感動がある。

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