新刊ドラフト会議BACK NUMBER
『スラムダンク奨学生インタビュー その先の世界へ』『SLAM DUNK』に匹敵する、14人の夢追人たちの実話の物語。
posted2023/03/25 09:00
![『スラムダンク奨学生インタビュー その先の世界へ』『SLAM DUNK』に匹敵する、14人の夢追人たちの実話の物語。<Number Web> photograph by Sports Graphic Number](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/f/7/1500wm/img_f7e11d82acb5dbf160413dc369afd399353165.jpg)
text by
![大柴壮平](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/2/f/-/img_2f72c042122720b8c02f9bb680f295d1297001.jpg)
大柴壮平Sohei Oshiba
photograph by
Sports Graphic Number
率直に言って戸惑った。この本を読んで泣くとは想像していなかったからだ。
突然の涙の理由を考えているうち、ふと「これは井上雄彦作品を読んだときの涙と似ているな」と思い当たった。
井上雄彦作品の魅力は、なんと言ってもキャラクターの描き込みが入念なところだろう。例えば『SLAM DUNK』なら、湘北のスタメンに始まり、ベンチの木暮、ライバル陵南のエース仙道といった主要なキャラクターは当然のこと、その脇を固める人物の描写も素晴らしい。
ルーズボールに飛び込んだ越野宏明が「絶対勝ってやるぜ…!!」と執念を見せるシーンや石井健太郎が念を込めて桜木の手を握るシーンに心を揺さぶられた読者は多いはずだ。
![](https://number.ismcdn.jp/common/images/common/blank.gif)