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奇跡が重なった“甲斐キャノン”誕生「もしあのままセカンドの選手だったら…」“小さな捕手は成功しない”常識をひっくり返した天性の才能
text by
前田泰子Yasuko Maeda
photograph byKYODO
posted2023/03/08 17:01
2010年秋、ソフトバンクに育成6位で指名を受けた甲斐拓也(楊志館)。いくつもの偶然が重なり、キャッチャーという天職に出会った
もしあのとき、赤峰さんがマスクをかぶる小柄な中学生を見ていなかったら……。
「試合を見ていなかったら拓也をキャッチャーにしようとは考えなかったかもしれませんし、そもそもチームにちゃんとした正捕手がいたら拓也に声をかけることもなかったでしょう。それに拓也があのままセカンドの選手だったら……ベンチ入りをしていたとも限らないですから」
偶然の出会いが奇跡を生んだ。あの分岐点から16年。小柄な少年は世界一を目指している。
「拓也はうれしさよりも怖さの方が大きいと話していました。結果はともかく、いい顔で野球をやっているのを見せてくれたらうれしいですね」(宮地さん)
捕手という天性のポジションに導いた2人は、WBCという舞台で世界を相手に戦う教え子を頼もしく見つめている。
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