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「韓日戦はじゃんけんも負けてはならないが…」韓国の解説者&記者に聞いた、侍ジャパンをどう見ている?「冷静に申し上げて日本優位。ただ…」
text by
姜亨起Kang Hyeong Gi
photograph byNaoya Sanuki
posted2023/03/10 11:01
韓国に最大限にリスペクトされつつも最大限に警戒される大谷。強化試合での規格外の2打席連続HRを韓国代表はどう見ただろうか
また、第1~4回大会すべてで出場経験のある元千葉ロッテのキム・テギュンは「日本は常に最強のチームと言われる。韓国と実力差があるのは事実だが、『絶対に負けない』という強い思いで戦ってこそ、我々にもチャンスが来る」と背中を押す。
「日本には163kmの剛速球を投げる佐々木もいれば、メジャーのスカウトが絶賛する山本(由伸)もいる。だが、そんな優れた投手たちにもミスはある。それを逃さず、スイングでいかに自らの全力を注げるかが重要だ。そこに集中すればいい。プレッシャーを感じすぎる必要はない」
勝敗を分かつのはミスの数
もっとも、侍ジャパンがそう易々と勝てるような相手ではないことは韓国も重々承知している。では、韓国が日韓戦で見出すべき“勝ち筋”はどこにあるのだろうか。
「韓国と日本はアジア野球の歴史で常に雌雄を決してきた間柄。それだけ両国の対決はライバル戦という意識が強いので、戦力差があっても思わぬ試合展開になることも多い。お互いに日韓戦独特の緊張感にのまれず、いかにミスを減らせるかで勝敗が分かれると思います。
韓国が負けるケースとして想定されるのが、序盤から点を与えてしまうこと。第2回WBCで先発キム・グァンヒョンが1回1/3で8失点を喫し、7回コールドで敗れたようなパターンです。なので、韓国が勝つためには先発投手が失点を最小限に抑え、勝負を試合後半の継投戦に持ち込む必要があるでしょう」(ソン氏)
実のところ、韓国代表選手は日韓戦に対してどんな心構えを持っているのか。キム記者は「彼らは日本に優れた選手が多いことも、日本が韓国より強いことも、NPBがKBOより上位にあたるリーグであることも認めています」と言い、さらに選手たちの思いを代弁するように言葉を足した。
「日本が強いのは事実ですが、かといって日韓戦の行方がどうなるかはやってみなければわからない。『ただ引き下がるわけにはいかない』というマインドを持っています。特に若手たちは、大谷やダルビッシュといったスター選手と試合できることにモチベーションを見出している。ほとんどの選手が日本との対決を楽しみにしているんです」
WBCでは実に14年ぶりとなる日韓戦。侍ジャパンの強さも豪華さも認めた韓国の選手たちは、挑戦者の立場でライバル撃破に臨む。