「韓日戦はじゃんけんも負けてはならないが…」韓国の解説者＆記者に聞いた、侍ジャパンをどう見ている？「冷静に申し上げて日本優位。ただ…」

　メジャーリーガーからNPB組まで、精鋭メンバーを揃えた侍ジャパンは“史上最強”との呼び声も高い。では、そんな日本代表と1次ラウンド2戦目で激突する韓国は、隣国のライバルをどう評価しているのだろうか。

「日本は選手層がかなり厚い。これまでの対戦ではどの選手が主力として出るのかある程度計算が立ちましたが、今回は多くのトッププレイヤーが出場し、選手一人ひとりの実力が高いので、警戒すべき選手を1人や2人に絞れないというのが私の見解です」

　そう語ったのは野球解説者のソン・ジェウ氏だ。一般紙のアメリカ通信員を経て1998年からメジャーリーグの中継解説者に転身。WBCでも第1回大会や第3回大会で中継を担当するなど、韓国球界で最も有名な解説者の一人として知られている。ソン氏は侍ジャパンのメンバー数人を例に挙げ、戦力の充実ぶりを高く評価する。

「例えば村上宗隆、山田哲人、山川穂高……あとは佐々木朗希も韓国ではよく知られています。特に投手陣は力で圧倒できるタイプのピッチャーが多く、韓国バッターはかなりの負担を強いられるでしょう。冷静に申し上げて、戦力面では優位に立っているのは日本です。日本で『史上最強』という声が挙がるのにも納得です」

イ・ガンチョル監督が「名前だけ見ればすぐわかる」と評した侍ジャパン。裏を返せば研究も十分ということか　©Naoya Sanuki

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　韓国を率いるイ・ガンチョル監督は「（日本は）名前だけ見ればすぐわかるような選手たちが選ばれた」と話していたが、日韓で戦力差があるのは韓国の球界関係者の誰もが認めるところ。スポーツ紙『スポーツソウル』野球担当のキム・ドンヨン記者も、至って現実的に両国を比較した。

「『韓日戦はじゃんけんも負けてはならない』と韓国ではよく言いますが、今回のWBCにおける客観的な実力比較では韓国より当然、日本が上でしょう。それは選手たちも理解していますし、同組の最強国は日本だという事実も認めています」

韓国に立ちはだかる「マンチンナム」

　そんな韓国が侍ジャパンで最も注目する選手には、やはり大谷翔平が挙げられる。日本人選手でありながら韓国でも絶大な人気を博している大谷を、野球ファンたちは韓国語で「まるで漫画から飛び出てきたような男」を意味する「マンチンナム」と呼ぶ。

　実際、ファンに限らず代表選手たちも大谷に一目置いている。たとえば、東京五輪の日韓戦で登板した右腕サイドスローのコ・ヨンピョ（KTウィズ）は、大谷との対戦を望む理由を韓国メディアにこう伝えている。

「大谷が素晴らしい選手だからこそ、勝負してみたいんです。打たれたとしても、挑戦すること自体に意味がある。僕のチェンジアップを大谷がどう攻略してくるかが楽しみです。もし結果が良ければ自信も生まれますから」

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