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「韓日戦はじゃんけんも負けてはならないが…」韓国の解説者&記者に聞いた、侍ジャパンをどう見ている?「冷静に申し上げて日本優位。ただ…」
text by
姜亨起Kang Hyeong Gi
photograph byNaoya Sanuki
posted2023/03/10 11:01
韓国に最大限にリスペクトされつつも最大限に警戒される大谷。強化試合での規格外の2打席連続HRを韓国代表はどう見ただろうか
ただ、その大谷をどう攻略すべきか問うと、ソン氏は「攻略法を示すのはかなり難しい」と首を傾げる。そして「とてつもないパワーを持つ選手なので、投手陣にとっては負担でしかないはず」とし、“投手・大谷”よりも“打者・大谷”に対する警戒心を明かした。
「大谷選手との勝負では、左腕投手がいかに変化球を外角に投げられるかがポイントとなるでしょう。大谷選手は常に注目を浴びるスター性がありますから、彼に簡単にホームランや長打を許すようなことがあれば、韓国の選手たちの士気は落ち、雰囲気も押されてしまう。逆に彼をある程度抑えられれば、選手たちの自信につながる。大谷選手をいかに防ぐかが、日本戦の勝敗のカギを握ると思います」
大谷封じのキーマンとは
大谷攻略のキーマンは左腕投手。2008年北京五輪で韓国を金メダルに導き、2019年WBSCプレミア12や2021年東京五輪でも指揮を執ったキム・ギョンムン元監督も「国際大会では左腕投手が重要。左腕が上手く投げられれば試合もある程度楽になる。日本戦も左腕投手がいる方が有利だ」と説く。そんなキム氏が活躍を期待する選手に挙げたのがク・チャンモ(NCダイノス)だ。
150kmの直球のほかスライダーやスプリットなどの変化球を投げ分けるク・チャンモは、かつて「日本キラー」と呼ばれたキム・グァンヒョン(SSGランダース)やヤン・ヒョンジョン(KIAタイガース)の後を継ぐ新たな左腕エースに挙げられる26歳。
クにはプロ3年目の2017年に出場したアジアプロ野球チャンピオンシップ(APBC)の日韓戦で、山川に2ラン本塁打を許した苦い記憶があり、今大会で雪辱を果たしたい思いは強い。
「日本相手には良くない記憶があります。特に(1次ラウンド会場の)東京ドームはホームランを打たれた場所。日韓戦には多くのファンが訪れると思いますが、そんな試合だからこそ勝ちたい。特に山川と対決することになれば、必ず雪辱を果たしたいです」
歴代WBCで活躍したレジェンドも後輩にエールを送る。「戦力面で見れば『韓国が日本より弱い』という評価は正しいが、韓国野球には日本にない特有の長所がある」と話したのは、第1回大会で最多セーブを記録し、優秀選手に選ばれたパク・チャンホだ。
「韓国特有の長所とは、まさにチームワーク。特に私が出場した第1回WBCがそうだったように、選手同士が強く団結できる。今回もキャプテン、ベテランを中心にチームが一つにまとまれば、近年のWBCや東京五輪とは違った結果になるだろう。私は彼らのチームワークを信じている」