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「韓国のイチロー」は名古屋市生まれ、父は元中日…韓国代表で警戒すべき4人の“北京キッズ”「兵役明けの“第2の呉昇桓”も…」
text by
姜亨起Kang Hyeong Gi
photograph byGetty Images
posted2023/03/10 11:00
2019年の世界野球WBSCプレミアにも韓国代表として出場したイ・ジョンフ。「韓国のイチロー」と呼ばれるだけあって所属する「キウム・ヒーローズ」でも背番号は「51」
北京五輪や第2~3回WBCの韓国代表メンバーだったチョン・グンウは、イ・ジョンフと父親を比較してこう語る。
「バッティングの正確さや長打力、走塁まで多くの部分が父親に似ています。親子ともに素晴らしい選手ですが、選球眼は息子が上ですね」
特に昨季はキャリア初の年間MVPに輝くとともに、打撃5冠(首位打者、最多安打、最多打点、最高出塁率、最高長打率)を達成。KBO史上初となる親子2代での首位打者、年間MVP受賞という偉業も成し遂げた。今季終了後のメジャーリーグ挑戦を表明し、今や父と同じく「韓国のイチロー」と呼ばれるイ・ジョンフには球界関係者も太鼓判を押す。韓国でメジャー解説を務めるソン・ジェウ氏は、現役メジャーリーガーを比較対象に挙げ、イ・ジョンフの能力の高さを称えた。
「イ・ジョンフ選手はニューヨーク・メッツのブランドン・ニモ選手と似ていますね。ニモ選手と言えば昨年12月にメッツと8年1億6200万ドルの大型契約を結んだばかりですが、私が思うにイ・ジョンフの選球眼の良さはニモ選手に近い。コンタクト能力ではイ・ジョンフ選手の方が多少良いでしょう
大舞台で発揮される精神力
一方、スポーツ紙『スポーツソウル』野球担当のキム・ドンヨン記者が強調したのはメンタル面だ。「私は彼の技術的な部分より、非常に強い精神力を推したい」とし、次のように続けた。
「非常に負けず嫌いで勝負根性があります。キウムでは若い頃からリーダーの役割を担ってきた選手で、実際、2023年シーズンは新キャプテンを務めることが決まっています。多くの人々が見過ごしているのではないかと思うぐらい、彼のメンタル面は高く評価すべきなんです」
父イ・ジョンボム氏から「常に謙虚で、周りの人に優しくできる誠実な人間になりなさい」と伝えられてきたイ・ジョンフ。父から野球より人間性に関する教えを受けてきたからこそ、今の活躍ぶりがあるというわけだ。
「イ・ジョンフ選手は実力面、メンタル面の両方で父を超えることが目標だと話したことがあります。名選手だった父の背中を幼い頃から見て育ったからこそ、若くしてメンタルコントロールができるし、内面が成熟した選手なのです」(キム記者)