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香川真司「4662日ぶりJ復帰戦」でカメラマンが見たものとは? セレッソの象徴「8」ではないスパイクの「10」が“映えていた”ワケ 

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原壮史

原壮史Masashi Hara

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photograph byMasashi Hara

posted2023/02/23 17:03

香川真司「4662日ぶりJ復帰戦」でカメラマンが見たものとは? セレッソの象徴「8」ではないスパイクの「10」が“映えていた”ワケ<Number Web> photograph by Masashi Hara

2010年5月15日以来、4662日ぶりにJリーグのピッチに戻ってきた香川真司。セレッソ大阪のサポーターは盛大なチャントで背番号8を出迎えた

 もちろん香川は、準備期間の短さやコンディションをピッチ内のプレーのエクスキューズにすることはない。「ピッチに入れば自分のパフォーマンス、ポテンシャル、質を出してなんぼ」と語る彼は、出場可否を「パフォーマンスが100%になるかだけが焦点」としていた小菊監督によってピッチに送り出された。100%のパフォーマンスでチームを勝利に導くことを期待された以上、いくつかのプレーを切り取って満足することはなかった。「もっとやれると実感している」「クオリティと連係面はもっと上げていかないといけないし、上げていけると確信している」と試合を振り返り、次節での勝利だけを見据えた。

期待の大きさは12年半前と同じか、それ以上

 あらためて言うまでもなく、香川への期待は大きい。

 コンディションを見極めて起用することを重視していた小菊監督は「アディショナルタイムまで含めてマックス20分」という当初の予定が、アディショナルタイムを含めずに約20分と少しだけ長くなったことを「試合の流れで私自身が彼を必要とした」と語った。

「彼のクオリティを必要としている。彼の経験やゲームを読む力、コントロールする力も」

 それは監督だけでなく、セレッソサポーターも感じているところだ。

 2008年のシーズンをもって引退した“ミスター・セレッソ”森島寛晃から背番号8を受け継ぎ、2009年のJ2ではミッドフィルダーながら27ゴールで得点王を獲得しチームを昇格させ、2010年途中(11試合出場で7ゴール)にドイツへ旅立ってから12年半。シチュエーションが大きく異なる以上、あの頃と同じ“絶対的な何か”をイメージするのは違う、とは思いつつも、期待の大きさとしては当時と同じかそれ以上だ。サポーターのアイドルであり、チームのアイコンであり、プレーでも経験の還元でもセレッソを引き上げてくれるはず――。12年半という歳月は、「香川真司に期待すること」の種類を否応なく増やした。

 この日のハーフタイムに、ホームゴール裏が香川のかつてのチャントから新しいチャントをメドレーで歌い上げる様子も、それを物語っているようだった。

 香川はそれに両手を挙げて応えていた。期待の大きさは十二分に伝わっている。

【次ページ】 Jリーグにとっても香川真司の復帰は大きい

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