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ダルビッシュ有36歳が惜しみなく後輩にアドバイスするワケ「みんなで共有した方が…」MLBで進化した最速158kmの“変化球の達人”が見せる生き様
posted2023/02/23 17:02
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Hideki Sugiyama
近年の日本の野球人口の低下を憂い、将来の球界の発展のため、できる限りの恩返しをしたいとの気概が、ダルビッシュ有をWBC出場へと突き動かした。
アメリカまで足を運んでいただいて感謝しかありません
当初、エントリーに関して「僕は(もう)いいでしょう」と笑っていた36歳右腕は昨年8月、渡米した侍ジャパンの栗山英樹監督と再会した際、これまで同監督に言われてきた「一生に一回でいいからスタメン表に、ダルビッシュ有、と書かせてほしい」との言葉を思い起こしていた。栗山監督が日本ハムの監督に就任したのは、ダルビッシュがメジャーに移籍した直後の2012年。直接の接点は、さほど多くない。ただ、トップメジャーとなった今、侍ジャパン最年長となっても母国の日本球界に必要とされている事実を、ダルビッシュは意気に感じた。
「色々な話をしていただきました。遠いアメリカまで足を運んでいただいて感謝しかありません」
昨年末、熟考した末、出場決断を表明したのも、栗山監督の熱い思い、そして何より日本のファンの期待に応えたいからだった。
米国、パドレスでいろいろ教えて頂いていることを…
その後、2月17日からスタートする侍ジャパンの宮崎合宿には初日から参加する意思を表明した。大会の規定上、メジャーリーガーは2月下旬からの壮行試合には出場できない。
それでも、ダルビッシュはパドレスから「特例」を認められ、早期合流を実現させた。帰国直前の2月9日、パドレスと新たに42歳までの6年契約で合意したのも、野球へ取り組む姿勢、リーダーシップが「唯一無二」だったからに他ならない。今や日米両球界で必要とされる存在となったベテラン右腕は、侍ジャパンへの合流を前に笑顔で胸の内を明かした。