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村上宗隆の打球がスゴすぎて「オスプレイに当たるんじゃ?」…特守では「ムネ、お腹すいてない?」との声も〈ヤクルトキャンプ観察〉 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2023/02/14 06:00

村上宗隆の打球がスゴすぎて「オスプレイに当たるんじゃ?」…特守では「ムネ、お腹すいてない?」との声も〈ヤクルトキャンプ観察〉<Number Web> photograph by Kou Hiroo

浦添で行われているヤクルトキャンプ。村上宗隆らの仕上がりはどんな感じ?

 ノッカーは森岡良介コーチ、野手陣は次々と繰り出されるボールを軽快にさばいている。村上は三塁で、がっちりとボールを処理している。大きな体だからグラブが小さく見えるが、動きは実に軽快だ。一緒に三塁を守っているのが赤羽由紘。学年は1つ下だが村上と同じ2000年生まれ。昨年、長崎で行われたフレッシュオールスターゲームで、劇的なサヨナラ本塁打を打ったのを目の当たりにして以来、注目している。独立リーグ信濃から育成で入団した苦労人だが、天下の三冠王とともに三塁を守っている。

 二塁を守る武岡龍世はさらに若い2001年生まれ、小柄だが軽快な動きを見せている。

 山田哲人はノックの間中、笑顔を見せている。野球が好きなことが伝わってくる。

 外野に目を転じると、1月5日に41歳になった青木宣親が元気にフライを追いかけている。青木と言えば、2018年、MLBからこの浦添キャンプに復帰し外野守備で「AttaBoy!(アラボーイ、かっこいいぞ!)」と野手陣に大声をかけていたのを思い出すが、その溌溂とした動きは今も変わらない。

 メイングラウンド横のブルペンが騒がしくなった。NPBから派遣されている審判が駆け足で移動する。予定より早く、投球練習が始まるようだ。

 この日のスケジュールではブルペン入りは「61」「63」「99」。「61」は5年目の久保拓眞、昨年中継ぎで29試合に投げた左腕だ。小柄だが、きびきびとした小気味の良い投球だ。

 その横は「99」、新外国人投手のレイネル・エスピナル。190cmの長身だが、それ以上に手が長く見える。鳥が翼を広げるように、腕を思い切り振って投げ込む。先発候補だが、球威は十分なようだ。あとは制球力だろう。

 一番奥で投げているのは「63」、やはり新外国人のディロン・ピーターズ。180cmと外国人としては目立たない体格。そして投球フォームも日本人に似た左腕だ。中継ぎ候補だろう。投球後、ブルペン捕手を交えて話し込んでいた。

村上宗隆のすさまじい飛距離にカメラマンが…

 メイングラウンドでは、シート打撃を経てBT(打撃練習)へと移行している。

 この日は外野手と、特別枠の4人がケージに入る。筆者は芝生の外野スタンドに回った。塩見泰隆、青木宣親が鋭い打球を飛ばしている。眼鏡をかけたサンタナも振り込んでいる。

 これはこれで、中々の見ものだったのだが、村上宗隆がケージに入ると景色が一変した。

【次ページ】 山田と村上には「特守」が課されて…

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