酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
村上宗隆の打球がスゴすぎて「オスプレイに当たるんじゃ?」…特守では「ムネ、お腹すいてない?」との声も〈ヤクルトキャンプ観察〉
posted2023/02/14 06:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kou Hiroo
今年は巨人が沖縄へ来るのが2月15日と遅いため、現時点では那覇市内から一番近い春季キャンプ地は那覇市の隣、浦添市のヤクルトキャンプとなる。
2023年のヤクルト春季キャンプ、一軍は投手22人、捕手4人、内野手11人、外野手5人の陣容だ。
朝、アップを終えて本塁付近に野手陣が集結する。今季、トライアウトを経て中日からヤクルトに入った三ツ俣大樹が挨拶をしてパフォーマンスで大滑りに滑ったが、それがかえって受けていた。心優しい選手たちだ。
ヤクルトだけでなく、今年の春季キャンプは、「WBC」を意識して見ることになる。ヤクルトでいえば、侍ジャパンの不動の中軸になることが期待される村上宗隆と山田哲人、そして守備の要である中村悠平、投手の高橋奎二だ。
キャッチボールでは山田と村上が組んでいた
キャンプ地ではその日のスケジュール表が配布される。多くの球団では、メディアだけに配布しているが、ヤクルトキャンプは全員に配布している。2月9日のヤクルトキャンプの野手のスケジュール表(一部。※外部サイトでご覧の方は関連記事からご覧ください)はこうなっている。
数字はヤクルト野手の背番号になる。捕手、内野手、外野手でグルーピングされているが、その中で「1」と「55」と「27」と「13」が別枠になっている。「1」は山田哲人、「55」は村上宗隆、「27」は中村悠平、「13」はホセ・オスナである。
外国人選手のオスナとWBCに出場する3人が別枠になっている。とりわけ侍の打線を担う山田哲人と村上宗隆の仕上がりが注目されるところではある。
キャッチボールでは山田と村上が組んでいた。村上は大きな体を使って悠然とボールを投げている。山田哲人も良く伸びる球を投げ返している。
2015年からヤクルトの春季キャンプを見ているが、この年の春季キャンプではまだ「23」だった山田哲人が三木肇コーチにみっちりと内野守備で鍛えられていた。当時22歳、打線の主力は川端慎吾、畠山和洋、雄平、そしてなによりウラディミール・バレンティンだった。この年、ヤクルトは優勝し、山田はトリプルスリーを記録してMVPを受賞、一躍スターダムに躍り出たのだった。
青木宣親41歳も元気にフライを追いかけていた
8年後の今年、川端はこのコラムでも紹介した通り、宮崎県西都市の二軍キャンプで調整を続けている。畠山、雄平、バレンティンは現役を引退した。
そして今、圧倒的な存在感を示しているのが今月2日に23歳になったばかりの村上宗隆だ。プロ野球の新陳代謝の速さを思わずにはいられない。
キャッチボールが終わるとメイングラウンドでは、シートノックが始まった。