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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
米記者が本音で語るWBC“日本は本当に優勝候補なのか?”「スズキとヨシダが真価を発揮すれば…」「オオタニとダルビッシュは野球殿堂入りレベル」
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2023/02/13 11:03
ニューヨーク・タイムズ紙などに執筆しているベテラン野球記者スコット・ミラー氏が「侍ジャパン」を分析した
目玉は何といってもオオタニとマイク・トラウトのマッチアップ。これを超える“ビッグカード”は他にない。トラウト自身「もしショウヘイとの対戦が実現したら、どれだけ興奮するだろう」と言っていました。チームではオオタニが投げる真後ろでセンターを守っていますが打席に立つとまた見え方が違うと思うので、敵はいつもこんなふうに球が見えているのかという新鮮な感覚もあるでしょうし、トラウトがどんな反応をするのか興味深いですね。
ダルビッシュとドミニカ共和国代表、マニー・マチャドのマッチアップも実現すれば面白いでしょうね。パドレスのチームメートで、強豪ぞろいのナ・リーグ西地区で優勝を目指し共にチームを引っ張る2人。チームメート同士がそれぞれの母国のユニホームを着て敵となって対戦するのは、選手にとってはアドレナリンのレベルが上がるでしょうし、もし実現すればいい勝負を見せてくれると思います」
「サダハル・オーを間近で…」WBCの思い出
最後にミラー氏が自身のWBC取材体験から、とっておきの話を聞かせてくれた。これまでに最も印象に残ったWBCとは。
「06年の第1回大会準決勝と決勝を取材しましたが、日本がキューバを10対6で下し優勝を決めたあの決勝は野球ファンを興奮させたし、若くして全盛期だったダイスケ・マツザカの大会での活躍には目を奪われました。彼はあの大会でMVPに輝き翌年にレッドソックスに入団し鳴り物入りでMLBデビューをしたわけですが、国際大会でスターが誕生する瞬間を目の当たりにできる機会は他にないでしょう。
第1回大会でもう1つ思い出深いのは、日本代表監督で偉大なレジェンドであるサダハル・オーを間近で取材できたことです。ハンク・アーロンの通算755本塁打も抜いた世界のホームラン王は、アメリカ人の我々からすれば伝説の人物です。偉大なオーを取材できたのは、とても名誉なこと。そんな経験ができるWBCは実にクール。世界中の野球人や野球ファンがつながれる大会ですから」
〈「米名物記者によるWBC優勝予想編」とあわせてお読みください〉
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。