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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
米記者が本音で語るWBC“日本は本当に優勝候補なのか?”「スズキとヨシダが真価を発揮すれば…」「オオタニとダルビッシュは野球殿堂入りレベル」
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2023/02/13 11:03
ニューヨーク・タイムズ紙などに執筆しているベテラン野球記者スコット・ミラー氏が「侍ジャパン」を分析した
06年の第1回大会でイチロー(マリナーズ)と大塚晶則(レンジャーズ)の2人、09年の第2回大会でイチロー、松坂大輔(レッドソックス)、城島健司(マリナーズ)、福留孝介(カブス)、岩村明憲(レイズ)と5人のメジャーリーガーが入り2連覇した日本は、13年の第3回大会は0人、17年の第4回大会は青木宣親(アストロズ)1人の参加で優勝を逃した。だが今回は5人。なかでも“あの2人”がチームに及ぼす影響は極めて大きいと言う。
「今大会は日本史上最多(タイ)のメジャーリーガーが参加していますが、特にオオタニとダルビッシュがいることは極めて大きい。2人は、日本人メジャーリーガーの中でベスト・オブ・ベストで、将来どちらも米野球殿堂入りの可能性があるレベル。そんな2人がチームメートとして戦うというのは、他チームからすれば脅威です。優勝はドミニカ共和国、準優勝は日本と予想していますが、私が日本を高く評価したのはこの圧倒的な2人の存在と、彼らがチームにもたらすものが大きいと思うからです。他の選手たちが彼らに触発され、自分たちの能力以上のプレーをする――。うまく融合できれば、日本代表はベストのチームになるでしょう」
鈴木誠也、吉田正尚はどう見るか?
上位打線を担う可能性があるほかの日本人メジャーリーガー、カブス・鈴木誠也、レッドソックス・吉田正尚の存在はどう見るか。
「2人とも日本ではトップクラスの選手ですが、今季がメジャー2年目のスズキはまだ自分の実力を証明して見せなければならない段階。ヨシダはメジャーでまだデビューしていませんが、大型契約で期待されている中で1年目を迎えるので、すぐに結果が求められる。2人とも、自分自身のことで精一杯ともいえる状況で代表としての責任を果たすわけです。それでも参加を決断したことに強い決意や覚悟がうかがえますし、彼ら自身、メジャートップのオオタニやダルビッシュと共闘することで一皮剥ける可能性もある。その意味では、スズキとヨシダがWBCで“真価”を発揮すれば、より強力なチームになるでしょう」