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「(日本の選手は)ちょっと気負い過ぎ」ダルビッシュ有36歳が現在のWBC侍ジャパンに感じた“懸念”とは? チーム合流直前に本人に聞いた話
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2023/02/09 17:00
栗山監督の信頼も厚く、侍ジャパンでは精神的支柱としてもチームを支えるダルビッシュ有
イチロー、松井秀喜との“決戦前の言葉”の共通点
「いつもと同じように準備するだけですね。いつもと違うことがあるとすれば、それ自体が問題だと思いますけどね」
「いつもと同じ準備をし、いつもと同じ気持ちで戦うことが大事じゃないですかね」
ともにポストシーズンの戦いを前に聞いた言葉。上がイチローさん、下が松井秀喜氏。ダルビッシュも同じだった。
それでも国を代表して戦う大会だ。各国ともにメンバーは史上最強の呼び声が高く、本気度も過去最高とも言われる。米国やドミニカ共和国などのメンバーを見れば、ダルビッシュ、大谷翔平、鈴木誠也らのメジャー経験者がいる侍ジャパンと言えど、萎縮するなという言葉だけでは説得力に乏しい。ダルビッシュは既にそんなことも想定済みか。近く合流する若き侍たちへメッセージを贈った。
「本気度というか、そこが僕の中であんまりしっくりこないというか、周りの(メジャー)選手を見ていても、調整のペースを早くしているかと言えば、そうじゃないから。結局、スプリングトレーニングの延長というふうにしか、なかなかみんな思っていない。やっぱりシーズンは長く、162試合こっちであるので。もうちょっとリラックスして欲しいというところはあります」
肩の力を抜いて、冷静に。己を信じ、平常心。そこから尽くす最善。サンディエゴから贈ったダルビッシュの思いを聞き、彼への期待感が更に高まった。
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