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中学で198cm「こんな伸びるんや」石川祐希、高橋藍の恩師も驚く“207cmのミドルブロッカー”の成長記録〈春高バレー注目の18歳〉
posted2023/01/05 06:00
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
Yuko Tanaka
左利きのミドルブロッカー。身長は207cm。そんな選手が今まで日本にいただろうかと考えるも、浮かばない。紛れもなく、稀有な存在だ。
しかも、まだ高校生。
新春早々、1月4日に開幕した春高バレーでプレーする18歳。もはやZ世代という言葉すら当てはまらない若さと、広がる可能性。
彼の名は麻野堅斗(あさの・けんと)。京都府代表・東山高校の3年生だ。
春高の開幕を2週間後に控えた昨年12月、麻野が黙々と取り組んでいたのがセッターと少し離れた後方から速いトスを打つDクイックだった。中学からコンビを組む當間理人(3年)と合わせるだけでなく、スイングを確認しながら狙ったコースに打つ。
「最近なかなかコンビが合わなくて、どうしてもボールの通過点が低くなっていたんです。まずはタイミングを合わせるために、ゆっくりしたトスをしっかり叩くほうがいいのかな、と思っていたんですけど、それもうまくいかない。(監督の松永)理生さんから『Dは上で待って叩くんじゃなく、上がったらすぐ叩くイメージで打ったほうがいい』と言われて、まずはタイミングをつかもうと思って。少しずつ、感覚がつかめるようになってきました」
真面目で努力家。身長だけでなく、コツコツ重ねた練習の成果が着実に実り始めている手ごたえを感じていた。
「ランドセルはめちゃくちゃ小さかった」
小学校入学時点で身長はすでに147センチ。ずば抜けて大きかった。
「卒業する時には178センチあって、中学入学が183だったので1カ月もしないうちにまだ伸びていて(笑)。中学卒業の時には197とか198ぐらいでした。目立つので嫌だな、と思った時期もありましたけど、でも慣れましたね。小学校の頃は、卒業するまで周りと同じようにランドセルを背負って通っていましたけど、(ランドセルは)めちゃくちゃ小さかったです(笑)」