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原晋監督「ツーピース足りなかった」まさかのブレーキ、快走も…青学大、“7人の4年生”の誤算と絆 「スーパースターじゃない世代」の4年間
posted2023/01/04 11:03
text by
和田悟志Satoshi Wada
photograph by
Nanae Suzuki/Yuki Suenaga
トップの駒澤大から2分3秒差の3位で往路を終えた青山学院大は、復路で巻き返す算段も叶わなかった。
6区の西川魁星(4年)が区間20位と苦戦し7位に。7区ではさらに8位に後退。前回王者は危うくシード権争いに巻き込まれるところだった。
原監督の本音「ツーピース足りなかったですね…」
今回、青山学院大は山で大苦戦した。
5区・山上りは、第1、第2候補だった若林宏樹(2年)と黒田朝日(1年)を、直前の体調不良と故障で起用できず、下りを予定していた脇田幸太朗(4年、5区の第3候補でもあった)を急遽起用せざるをえなかった。
6区も、もともと候補だった野村昭夢(2年)が故障でエントリーできず。もう1人の候補・山内健登(3年)は戦略上、他の区間の選手を優先したためにエントリーしなかった。さらに脇田が5区に回ったため、第4候補だった西川に出番が回ってきた。しかも、それが決まったのも元日のことだった。
「ツーピース足りなかったですね……」
原晋監督が言うように、急あつらえのオーダーでは、箱根の山中で優勝争いから脱落したのも仕方のないことだった。
それでも、9区の岸本大紀(4年)が区間賞の走りで5人を抜き3位に押し上げ、なんとかトップ3の座は守った。王者のせめてもの意地は見せただろう。