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「TAKE 14」ユニ少年の期待に応えて…前髪イメチェン久保建英のW杯後ソシエダ初戦「ゴールへの気迫+守備」を撮った〈写真多数〉
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2023/01/05 17:00
ソシエダのチームメートと得点を喜び合う久保建英
ソシエダが守備時に行う同サイドへの圧縮において、久保の貢献度が非常に高く感じられた。相手ボールホルダーに対して、ソシエダが囲むように守備するシーンが多く撮影できた。そこで奪ったボールはシルバを経由して前線に展開された。
攻撃面では是が非でも“数字”を残したいという気迫が
後半はより攻撃面での関与が光った。
個人技でサイドを突破するとクロス、シュートと狙っていくが、ゴールには繋げられず、是が非でも数字としての結果を残したいという気迫が表情、そして仕草から伝わってくる。
何度かメンデスからパスが回ってくれば――というようなシーンもあったか……しかしチーム内得点王はメンデス(7ゴール)だった。久保としては回ってきたチャンスで結果を残す、最後のディテール部分が課題となる。
64分、メンデスからのパスを受けたセルロートが技ありのシュートで追加点を奪い、勝敗を決定づけた。その後はより一層、久保からゴールへの執念を感じさせたが、81分、お役目御免。スタンディングオベーションを受けピッチを後にした。
ゴール、アシストともに得ることはできなかったが、80分間の攻撃、守備の貢献が評価された拍手だった。
そして87分、怪我での長期離脱から9カ月ぶりにベンチ入りを果たしたオヤルザバルが、満を持してピッチに戻ってきた。アップに出てきた際には温かい歓声と拍手が包み、交代出場を果たした際にはこの日一番の盛り上がりとなった。
交代を告げられた際には、久保はじめベンチの選手らも温かい目で見守る姿が印象に残る。
W杯中断という難しい状況の中でも勝ち点3でリスタート
イマノル・アルグアシル監督率いるソシエダは、リーガ中断を3位で迎えていた。
またヨーロッパリーグでも、グループリーグでマンチェスター・ユナイテッドを抑えて首位通過している。好調なチームながら、スペイン代表に招集されたメンバーはおらず、各国代表としてW杯に出場した選手も久保だけにとどまる。
週2回ペースの試合が続き、その代償として終盤は故障者も多く、この中断期間がプラスに影響した可能性は高い。オヤルザバルの復帰も、中断期間を利用して慎重に迎えられたはずだ。
ただ極限まで研ぎ澄まされたチームのテンションが一度途切れたのも確かで、W杯後初戦は難しかったはずだが、2-0での勝利は、幸先の良いものとなった。
リーガ全体に目を移すと、セビージャのような強豪ながら降格圏内にいるチームがテコ入れし、再起を図るのは確実だ。