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有馬記念を完勝、イクイノックスは“実際どこが強かったのか”、徹底検証! ルメールも調教師も絶賛「世界のホースマンに見てもらう価値のある馬」
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2022/12/26 17:01
12月25日の有馬記念を完勝したイクイノックス。“天才”がその強さを見せつけたレースだった
来年の主役はどの馬になるのか?
イクイノックスから2馬身半遅れた2着には、同じ3歳のボルドグフーシュが飛び込んできた。この馬は、どんな条件でも素晴らしい末脚を使う。今回もメンバー最速の35秒2で上がってきた。手綱をとった福永祐一が「来年は主役になってくれるでしょう」とコメントしたとおり、来年4月30日の天皇賞・春の最有力候補になるかもしれない。
そこから1馬身半離れた3着には良血牝馬ジェラルディーナが来た。スタートで立ち遅れなければ、もっときわどい勝負になっていただろう。
昨年の勝ち馬エフフォーリアは、復調の兆しを思わせる5着。9着、6着に終わった春の2戦のように勝負所で手応えがなくなることなく、直線入口では「ひょっとしたら」と思わせる勢いだった。おそらく、ここを使って状態がさらに上向いているはずだ。体質が強化され、いわゆる「叩き良化型」になっていれば、昨年までのエフフォーリアとはまた別種の強さを見せてくれる可能性があるような気がする。
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ファン投票1位に支持されたタイトルホルダーは、直線で後続に呑み込まれ、9着に敗れた。単騎で逃げる自分の競馬はできたが、序盤の推進力に、春の力強さがなかった。凱旋門賞でタフな馬場を走った見えない疲れがあったのかもしれない。
これらの強豪と「天才」は、来年もまたぶつかり合う。先々の競馬がさらに楽しみになる、素晴らしいクリスマスグランプリであった。
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