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「オオタニは“人気者“になることを目指していない」大谷翔平の米番記者が語る現地でのリアル知名度「手のひら返しはアメリカも早い(笑)」
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byUSA TODAY Sports/Reuters/AFLO
posted2022/12/25 11:03
2年連続のMVP受賞は逃したものの、MLB史上初の同一シーズンでの規定打席&規定投球回のダブル達成など、記録にも記憶にも残る活躍を見せた2022年の大谷翔平。投手としては自身MLB最多となる15勝、打者としては2年連続の30本塁打を達成している
――シーズン中、大谷選手の活躍は日本で連日のように報道されています。アメリカでも同様に知名度抜群のスーパースターといえるのでしょうか。
JF 間違いないですね。メジャー屈指のスター選手たち、たとえばジャッジやトラウトと同じレベルにいると思います。
――それは野球界のみならず、たとえばNBAの大スターであるレブロン・ジェームズと並ぶほどに?
JF 野球というスポーツの特性上、テレビで多く放送されるのがピッチャーとキャッチャー、バッターの3人ですよね。その点、多くの選手を一画面上で見られるバスケットボールと違って、イチ選手の露出時間が限られています。だからレブロンのレベルに達するのは大谷に限らず野球選手では難しいのかなと。それに大谷選手自身がアメリカを代表するスターになりたいと望んでいるのか、という点もありますよね。レブロンほどアメリカのトークショーやコマーシャルに出るイメージも湧かないですし。
――たしかにそうかもしれません。
JF もちろんその気があれば別ですが、おそらく彼は“人気者”になることを目指していないと思います。それよりも、世界最高の野球選手になりたいと。いつ練習を見ても、何より楽しそうに練習していますし、野球が好きというのがひしひし伝わってきますから。
もしフィールド外での名声とか人気を求めた時には、揚げ足を取られることもあるでしょうし、問題になるようなことを発言してしまうかもしれない。そう考えても、球場外の人気を求めるのがいいこととは限らないと思いますよ。
――言うのは簡単ですが、本当に「うまくなりたい」「もっと前に進みたい」という思いが大谷選手の原動力なのでしょうね。
JF それこそが成功するアスリートの共通要因といえると思います。アメリカではよく、「メジャーリーグに行くほうが、メジャーリーガーとして居続けることよりも簡単」と言われます。まさにそのとおりで、トップのレベルを維持し続けられることこそがスーパースターの証。その裏には無論、並々ならぬ向上心と努力があるわけですが。彼の練習風景を見ていると、その言葉を思い出さずにはいられないんですよね。
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