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「オオタニは“人気者“になることを目指していない」大谷翔平の米番記者が語る現地でのリアル知名度「手のひら返しはアメリカも早い(笑)」
 

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photograph byUSA TODAY Sports/Reuters/AFLO

posted2022/12/25 11:03

「オオタニは“人気者“になることを目指していない」大谷翔平の米番記者が語る現地でのリアル知名度「手のひら返しはアメリカも早い(笑)」<Number Web> photograph by USA TODAY Sports/Reuters/AFLO

2年連続のMVP受賞は逃したものの、MLB史上初の同一シーズンでの規定打席&規定投球回のダブル達成など、記録にも記憶にも残る活躍を見せた2022年の大谷翔平。投手としては自身MLB最多となる15勝、打者としては2年連続の30本塁打を達成している

JF ありましたね、間違いなく。スプリングトレーニングの時点でとんでもないシーズンになるな、と。練習の様子を見ているだけで、怪我を気にせずに思いっきり野球ができる喜びが表れていたし、体のキレも違った。誰よりもボールを飛ばしますし、誰よりも速い球を投げる。動きと感覚が噛み合っているように見えました。生で見れば誰もがそう思うはずです。それにしても、いち記者としても色々気付かされましたね、大谷選手の活躍には。

――というのは?

JF やっぱり、私たちメディアの性として、どうしても忍耐に欠くところってあるじゃないですか。その時の結果だけで判断してしまうというか。しかし忍耐というか、時には待つことも必要なんだな、ということを大谷選手から教えてもらいました。彼を見て一番学んだことと言えるかもしれません。

ジャッジとのMVP論争「間違いなくオオタニ」

――話を戻すと、今季の成績は、34本塁打・95打点・11盗塁、15勝・防御率2.33・219奪三振。投手としては移籍以降のベストシーズン、打者としては昨季より少し数字を下げました。

JF ホームラン数は減っていますが、そこに大きな意味があるとは思えません。今年は彼だけでなく、メジャー全体でホームラン数が激減した(ア・リーグ全体の本塁打数:21年3059本→22年2557本)。その中でも34本打っているわけですし、十分な成績じゃないですか。

――シーズン後にはMVP論争が巻き起こりました。62本塁打のジャッジか二刀流の大谷か。結果は大差でジャッジ選手になりましたが、もしフレッチャーさんに投票権があればどちらに入れていましたか。

JF 間違いなく大谷選手でした。彼がやった二刀流でのシーズン完遂は、それが2シーズンめとはいえMVPに値すると思いますから。ただ、ジャッジに投票したい記者の気持ちもわかります。リーグ新記録のホームラン数もそうですが、何よりヤンキースは地区優勝を果たした。スポーツである以上、勝つこと、勝たせることは選手の評価に大きく関わります。その意味ではジャッジのMVPは理解できますよ。

米番記者だけが知る“意外な一面”は……

――シーズン終盤、ライバルという構図が作られても、大谷選手はジャッジ選手について「1ファンとして楽しみにしています」とコメントしていました。謙虚で大谷選手らしいと思う一方、普段の練習や試合では違う一面があったりするのではないかと……。

JF 自分のプレーに納得できなくてイライラするのは何回か見たことがあります。でも、それも数としては多くないですね。チームメイトも彼のことを気に入ってるし、対戦相手も彼のことを悪く言う人はいないし……。その意味でいうと、「意外な一面」っていうのは本当にないんですよ(笑)。

【次ページ】 アメリカでの“リアルな知名度”は?

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