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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「ドラフト指名を狙いたい」東京六大学の元三冠王や“200cmエリート左腕”も…“冷やかし皆無”なジャパンウィンターリーグが面白い
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2022/12/16 11:01
晩秋から1カ月間にわたって行われたジャパンウィンターリーグでは、様々な選手が奮闘していたようだ
坂巻は他の数値も抜群だった。千葉経済大、中央大を経て社会人入りして2年目で、初日には大会第1号のホームランをライナーで打ち込んでいる。
「自分は能力的には高い方に入るとは思っていますが、野球観だとか、様々な方法でチームに貢献する部分などがまだ足りなくて、それを補うためにここに来ました。
社会人でも結構試合に出させてもらっていますが、例えばランナーがいるときに詰まった打球でもいいから走者を進めるバッティングができるとか、考える野球がまだできていないなと思っています。
このリーグでは結果よりも自分がやりたいこと、望んでいることをするために試合に臨んでいます。今のところは思い通りにできているので、手ごたえを感じています。ホームランは打てて良かったですが、それよりも自分の野球観を充実させたいですね。
トヨタの選手は前半戦だけの出場ですが、試合をこんなに毎日続ける経験はほとんどないので、貴重ですね。それにいろいろなところで野球をしている人が、どんな気持ちで野球に取り組んでいるのか聞くことができて、新鮮でした。今年のドラフトではNPB球団から2枚調査書を貰いました。来年はチームに貢献できるよう活躍したうえで、ドラフト指名をぜひ狙いたいので、野球に集中して成果を持ち帰りたいです」
国際色も豊かな参加者の中で
このリーグにはウガンダから4人、メキシコから1人、アメリカからも1人参加しており、国際色豊かだ。
独立リーグの日本海オセアンリーグ、石川ミリオンスターズから参加した中川広大もホームランを打っている。金沢高、中京大、HBC金沢を経てミリオンスターズに入って2年目の25歳だ。
「独立リーグは単年契約なので、来年の居場所は自分で探さなければなりません。このリーグは次へ向けたチャンスの場所だと思います。声をかけてもらって決心しました。独立リーグはお金はかつかつですが、それを切り崩して参加しました。社会人のトップレベルの人がいて、アグレッシブに取り組んでいるので刺激になります。来年はクラブチームでやる予定ですが、少しでもチャンスをつかみたいですね」
球場を訪れたNPBのスカウトは「知っている名前は何人かいますね。どんなレベルかわからないので今は様子を見ているところです」とのことだ。
早大時代、三冠王に輝いた今井の特大弾
12月1日の試合で、トヨタの今井脩斗は右中間に推定140mの大ホームランを打った。早大本庄から早稲田大。東京六大学で三冠王に輝くも右ひじを故障し、一時は野球を断念。トヨタに入って再起を期して1年目だ。