- #1
- #2
サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
出場ゼロも大号泣、川島永嗣に聞いた“なぜ、そんなに泣く?”「悔しい、悔しい、悔しい…」「“今までと同じ”と言われるのは絶対納得いかない」
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2022/12/11 11:03
クロアチア戦の試合後、ピッチ上で大量の涙を流した川島。一体どのような思いがこみ上げたのか、本人に聞いた
このチームの力を証明できなかった悔しさがあります
ただ、自身にとって4大会目にして最もベスト8に近づいたチームだった。
「(ベスト8進出は)絶対、僕はできるとしか思ってなかったし、それが実現できなかったっていうのはすごい悔しいです。外から見ててもこのチームって素晴らしいチームだったと思うし、勝てる力が絶対あったと思うし、もちろん予選を通していろんなことを選手としてもチームとしても言われてきた。でも、自分がこのワールドカップ期間中も含めて4年間を見た中で、このチームっていうのはそれだけ力があった。だから僕の中では、結果がでなかったからと言って、今までと同じと言われるのは絶対納得いかないし、それを証明できなかった悔しさがあります」
過去と同等に扱われると腹がたつほどのチームでありながら、過去最高チームであることを結果では証明できなかった。
素晴らしさと厳しさの両方を感じさせてくれる大会でした
「W杯は素晴らしい大会でありながら非常に儚い部分も多くありますし。大会中もやっぱりドイツ、スペインに勝って素晴らしい感情を味わうことができたり、コスタリカ戦後に窮地に立たされたり厳しいときもあったと思います。素晴らしさと厳しさの両方を感じさせてくれる大会でした」
過去、ベテラン控え選手といえばチームを支える、ベンチを盛り上げる、若手の悩みを聞くなど“相応”とされる役回りがあった。彼らの存在が美談として語られることもあったし、実際にそうしたベテランたちがチーム内のコミュニケーションを円滑にしてきた部分もあるのだろう。だが、川島は全く違う。真剣に、出場を前提とした自身のトレーニングに取り組み、チームのことを思った。その結果としての涙であり権田との抱擁だった。取り組みでも正GKを刺激できる、新しいタイプのベテラン控えGKだったのかもしれない。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。