今大会の内容を精査し、次こそはベスト8以上へ

　ベスト8に進めなかったことは、歴史を変えられなかったということではないでしょう。ドイツ、スペインを破り、これまで成し得なかった2大会連続でのベスト16進出を果たしました。ラウンド16のクロアチア戦も、勝利に手が届くところまでいきました。森保監督も話していましたが、「新しい景色」は見えてきている、確実に前進している、と感じます。

　ただ、まだ足りないものがあるのも事実です。ここまで勝ち上がった道のりと、勝ち進めなかった経験のすべてが、日本サッカー界の宝であり財産になっていきます。だからこそ、今大会の成績と内容をしっかりと分析、精査し、次こそベスト8以上へいけるようにみんなでサッカーの話をしましょう。みんなで進んでいきましょう。

　正しく積み上げていけば必ず到達できると、僕は信じています。そして、一度超えればそれが新たな日常となり、その気づきを日本サッカーの共通理解としてまた積み重ねていけば、文字どおり「新しい景色」を見ることができると思うのです。

PK戦でクロアチアに敗れた悔しさを噛み締めながら引き上げる日本の選手たち　©Kiichi Matsumoto/JMPA

　日本中が信じられないくらいに興奮し、歓喜し、誰もが日々話題にするくらいに日本をひとつにしてくれた森保監督はじめスタッフのみなさん、選手のみなさんの日本サッカー史に残る死力を尽くした戦いに、改めて心から感謝したいと思います。

　アジア最終予選からスタートした日本代表戦のプレビュー・レビューは、ひとまず今回をもって区切りとなります。昨年9月のオマーン戦から始まったこの連載を、多くの方に読んでいただきました。本当に感謝しています。

　読者のみなさんが日本代表を見るうえで、少しでもサポートになればと思い書いてきました。いま振り返ると、その時その時の自分の考えを言語化して整理することが、今後の自分にとっても大きな財産になったと思います。

　4年後に向けて始まる新生・日本代表に期待しましょう。

　みなさま、本当にありがとうございました。

＜#1、#2から続く＞

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