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[スペインは日本をどう見たか]魔の3分間がやってきた
posted2022/12/10 08:01
text by
ミゲル・アンヘル・ララ(マルカ)Migel Angel Lala(Marca)
photograph by
Tsutomu Takasu
試合が終わってからしばらくの間、なぜスペインが日本に負けたのかを考え続けていた。深夜まで「マルカ」紙の同僚たちと試合後のメディアルームで何が原因だったのかをああだこうだと議論したものだ。
試合の入り方はほぼ完璧だった。ルイス・エンリケ監督は予想に反して、我々の最大の武器である3人のMFセルヒオ・ブスケッツ、ぺドリ、ガビを温存させることなく頭から起用した。開始からブスケッツは日本の1トップの前田大然に警戒されていたが、彼を経由せずとも上手くボールを前に運べていた。
5バックなのか4バックなのかは予測できなかったものの、日本が守備的に挑んでくることは分かっていた。高いボール保持率で常に相手陣内でプレーし続けること。そこから生まれるチャンスを確実に決めること。そして日本のスピードあるカウンターに警戒すること。ポイントはその3点だった。前半に関してはある程度いい流れで、ニコ・ウィリアムスはいくつか仕事をしたし、アルバロ・モラタも頭で決め、最低限の結果は出した。