サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「ドイツはコスタリカ戦をどう戦う？」ドイツ人記者に聞いた逆転突破の可能性「“2-0にできるか”は重要」「ただ、失点もありうる」
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byGetty Images
posted2022/12/01 11:15
ドイツのフリック監督。自力でのグループステージ突破の可能性はないが、日本の結果次第でドイツにも逆転突破の可能性も出てくる
ヘアマン 1戦目を終えた段階でドイツはギリギリの状況に追い込まれていました。ただおっしゃるように日本対コスタリカ戦の結果が、ドイツに駆け引きができる状況をもたらしてくれたのは間違いありません。日本が勝っていたら、ドイツは勝たなければならない状況だったわけですから、あの試合の結果がドイツにとっては少し良い影響をもたらしたのは間違いないです。ドイツ代表の選手は日本対コスタリカの試合をみんなで見ていたと聞いてますし、いい心理状態で試合に入ることができたのだと思います。
――スペインはここ最近ドイツにとって相性が悪いというか、不安にさせられる対戦相手ですよね。国際大会でスペインに負けて敗退することが続いていたし、UEFAネーションズリーグでは0-6で大敗したこともありました。そうしたスペイン相手に互角の展開に持ち込めたのは相当にポジティブなことではないですか？
ヘアマン その通りです。ボール保持率で見たらスペインの方が優勢でしたし、向こうがゲームをコントロールしている時間帯が多かったのは確かですが、でもそれは試合前から分かっていたこと。それに試合の流れとともにドイツはスペインをうまく掌握する時間帯も増えてきましたし、競り合いで勝利するシーンも増えてきました。そしてゲーム全体でみたらゴールチャンスはドイツのほうが作れていました。スペインは試合開始直後のオルモのバー直撃シュートこそありましたが、2-1で勝てるチャンスはドイツのほうがあったのではと思います。
日本戦と比べて相当よくなった守備
――ドイツ代表の守備に関してはどうでしょうか？ 1失点しましたが、それ以外では大きなピンチは少なく守れていたと思います。
ヘアマン 日本戦と比べて相当よくなったとは思います。ポジショニング、選手間の距離はとてもよかったです。日本戦では右SBを務めたズーレが本職のCBへ戻ってリュディガーとコンビを組んだわけですが、うまく機能していたと思います。失点もありましたが、スペインのような強豪相手だとああいうことも起こります。ただ、全体的に多くのピンチを招かなかったという点では評価できると思います。日本戦では相手の攻撃を食い止められずに突破を許すシーンがまだ多くみられていましたから。
――守備組織が整っていないという批判はここ最近ずっとドイツメディアで聞かれるところです。まだ完ぺきではないとはいえ、かなりの改善がされた印象があります。日本戦と比べてどこに違いがあったと思いますか？
