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合田直弘「ジャパンカップにアルピニスタが出ていたら本命でした」“アーモンドアイもコントレイルもいない”今年は外国馬にもチャンスあり?
text by
曹宇鉉Uhyon Cho
photograph byAFP/JIJI PRESS
posted2022/11/26 17:27
ジャパンカップ参戦の可能性を示唆していた2022年の凱旋門賞馬アルピニスタ。もし出走していれば上位人気に支持されていただろう
合田氏も「ものすごいインセンティブ」と語った報奨金制度だが、対象レースのサンクルー大賞と凱旋門賞に勝利し、動向が注目されていたアルピニスタの出走は叶わなかった。マーク・プレスコット調教師は参戦に前向きなコメントを残していたものの、11月上旬、調教中の故障により引退および繁殖入りが発表された。
「アルピニスタはグランドグローリーの5馬身前」
もし凱旋門賞馬のアルピニスタがジャパンカップに参戦していたら、本命を打っていましたか――。こんな質問を合田氏にぶつけてみたところ、あっさりと「打っていたと思います」という答えが返ってきた。
「ヨーロッパのあのクラスの馬はやっぱり強いですよ。昨年のグランドグローリーがコントレイルから5馬身差の5着。その点、アルピニスタもグランドグローリーより5馬身は前にいる馬ですから。おそらく今年の日本馬にコントレイル級の馬はいませんよね。このメンバーであれば、アルピニスタに本命を打つのは自然な考えだと思います」
言うまでもなく、ジャパンカップの舞台はアルピニスタが走ってきたレースとは大きく競走条件が異なる東京競馬場だ。にもかかわらず「出ていれば本命だった」と述べる根拠として、合田氏はクラシックディスタンスにおける欧州勢のレベルの高さをあげた。
「物差しになりうるのが“中立地開催”といえるドバイシーマクラシックでの成績です。今年はシャフリヤールが非常にいい勝ち方をしましたが、昨年はクロノジェネシスとラヴズオンリーユーがミシュリフに惜敗し、過去にもポストポンドやセントニコラスアビー、ダーレミといったヨーロッパの一線級が、ドゥラメンテやジェンティルドンナ、ブエナビスタなど日本のトップホースを破っています。なかなかジャパンカップに来ないので伝わりにくいと思うのですが、ヨーロッパの芝2400m路線は本当にレベルが高い。仮にドバイで日本馬が後塵を拝したからといって評価を下げる必要はまったくないですし、むしろ互角に近い戦いを演じたことを評価するべきだと思います」
つまるところ、その路線のGIで6連勝を記録したアルピニスタの実力は「推して知るべし」ということだろう。仮に来日が実現していれば、馬場の向き不向きをも超越するほどの強さを、府中のターフで見せつけていたかもしれない。