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合田直弘「ジャパンカップにアルピニスタが出ていたら本命でした」“アーモンドアイもコントレイルもいない”今年は外国馬にもチャンスあり?
text by
曹宇鉉Uhyon Cho
photograph byAFP/JIJI PRESS
posted2022/11/26 17:27
ジャパンカップ参戦の可能性を示唆していた2022年の凱旋門賞馬アルピニスタ。もし出走していれば上位人気に支持されていただろう
「コントレイルはすごい」世界的な名伯楽が絶賛
今年のジャパンカップにおいて日本馬の大将格と目されているのが、昨年のダービー馬・シャフリヤールだ。ドバイシーマクラシック優勝後は、ロイヤルアスコット開催のGIプリンスオブウェールズSに遠征。大きな期待を背負ってのレースとなったが、5頭中4着に終わり、日本復帰初戦の天皇賞・秋も5着という結果だった。
最終的に外国馬の出走は4頭にとどまった(2018年以降では最多)が、今年のジャパンカップに多くの登録が集まった背景として、合田氏は「プリンスオブウェールズSの結果から『シャフリヤールが日本の大将格なら……』という計算もあったのではないか」と推測する。
「要するに、今年はアーモンドアイやコントレイル級の日本馬はいないぞ、と。外国馬も1頭だとサンプルとして難しいですが、4頭出てくれましたからね。そのうち1頭でも本領を発揮してくれれば、世界における“日本競馬の現在地”が見えてくるのではないでしょうか」
日本馬の世界的な評価の高さを示すエピソードとして、合田氏はある名伯楽と交わした会話の内容を明かしてくれた。
「昨年のジャパンカップの後、ジョン・ゴスデン調教師(凱旋門賞連覇のエネイブルなどを管理)とニューマーケットの競り場で会ったときに、『あのコントレイルという馬はすごい。この1年間の2400mのレースで、もっとも素晴らしい競馬をしたのはコントレイルだ』と彼が言ったんですよ。いま、本気でジャパンカップを獲りにいこうと思ったら、日本の競馬にも対応できる本物のトップホースを連れていかないと絶対に勝てない。海外の関係者もそう認識しています。結局のところ、近年のジャパンカップに外国馬が集まりにくい一番の理由はそこなんです。たしかにヨーロッパのレベルも非常に高いのですが、その彼らからも日本の競馬は間違いなくリスペクトされていますね」
凱旋門賞5着のグランドグローリー、ニエル賞でドウデュースを破ったシムカミル、そのシムカミルにパリ大賞で勝利したオネスト、ドイツで底を見せていない連勝馬テュネス……。近年まれに見る“本気度”の外国勢は、天皇賞の雪辱を期すシャフリヤールやダノンベルーガを相手にどんな競馬を見せるのか。11月27日、東京競馬場で開催される“競馬のW杯”の発走を楽しみに待ちたい。
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