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[守護神の覚悟]権田修一は“究極の人助け”をできるのか
posted2022/11/19 07:02
text by

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph by
Getty Images
“人助け”の原点は、小学3年生の頃のグラウンドだ。ある試合で、決着がPK戦にもつれ込んだ。そこで1人のチームメイトがシュートを失敗してしまった。
意気消沈の仲間たちを横目に、救世主となったのが権田少年だった。立て続けに相手のPKを止めると、未来の日本代表守護神の周りに歓喜の輪ができた。
試合後、保護者席へ挨拶に行くと、権田の両親とともに、PKを外した子の母親も泣きながら喜んでいた――。
「なんで泣いてるの? って、最初は不思議だったんですけどね。経験を重ねるごとに、GKは周りのミスをカバーできるポジションなんだと理解できるようになった。特にプロの場合は、1つのミスによって出場機会を失ったり、契約を打ち切られる可能性だってあります。だからこそ試合中のPKを止めたときには、ファウルをした選手がめちゃくちゃ喜んでくれる。その笑顔を見ると、嬉しくなるんですよ」
究極の人助け。権田修一はGKという仕事のやりがいを、こう捉えている。そんな人だから、昨年10月に味わった痛恨の記憶が、今でも頭から離れない。
アウェーでのW杯アジア最終予選・サウジアラビア戦。その71分だった。中盤でプレッシャーを受けた柴崎岳が、自陣深くへのバックパスを選択する。ところがボールは相手FWアルブライカンのもとへ。日本ゴール前に残るのは権田だけ。“人助け”が必要な緊急事態が、突然訪れた。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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