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デアリングタクトはエリザベス女王杯で“感動の復活劇”を見せられるのか? 過去の牝馬三冠馬のデータを調査して分かった“あるジンクス”
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byPhotostud
posted2022/11/12 17:01
前走オールカマーでのデアリングタクト。GIエリザベス女王杯で復活劇となるか
本気参戦の外国産馬
2011年のスノーフェアリー(1着)、ダンシングレイン(16着)以来、11年ぶりに外国馬として参戦するマジカルラグーン(3歳、父ガリレオ、愛・J.ハリントン厩舎)も有力候補だ。
スノーフェアリーは3歳だった2010年につづく連覇だった。その3歳時は、イギリスオークスとアイルランドオークスを勝ち、ヨークシャーオークスで2着となり、牡馬相手のセントレジャーで4着となったあと来日。次走の香港カップも勝っている。
それに比べるとマジカルラグーンの実績は見劣りするものの、同じアイルランドオークスを勝ち、斤量面で有利な3歳に参戦してきたというだけでも怖い。招待レースではなく、輸送費などは自己負担となるここに、前走、8月18日のヨークシャーオークスで、凱旋門賞馬アルピニスタの5着に敗れたあと、早くも狙いを定めてきたという本気度も「買い」の材料になる。
注目は秋華賞組?
秋華賞で1、2着だったスタニングローズ(3歳、父キングカメハメハ、栗東・高野友和厩舎)とナミュール(3歳、父ハービンジャー、栗東・高野友和厩舎)にもチャンスがある。距離は1ハロン伸びるが、秋華賞と同じ阪神の内回りというのもいい。
ウインレーシングクラブが送り込んでくる3頭は、どれも怖い。特に、これが3度目の女王杯参戦となるウインマリリン(5歳、父スクリーンヒーロー、美浦・手塚貴久厩舎)は、過去の2度では状態が思わしくなかった「肘腫」が落ちついているというだけに、あっさりのシーンがあっても驚けない。苦手な長距離輸送対策として、早めに栗東に滞在している。手塚調教師が、過去2回と出来に関しては雲泥の差だと話しているのも心強い。