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デアリングタクトはエリザベス女王杯で“感動の復活劇”を見せられるのか? 過去の牝馬三冠馬のデータを調査して分かった“あるジンクス”
posted2022/11/12 17:01
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Photostud
史上初めて無敗で牝馬三冠を制した女傑、外国馬として11年ぶりに参戦する愛オークス馬、そして、秋華賞でワンツーフィニッシュを決めた高野厩舎勢。ほかに、牡馬相手の重賞を勝った馬が4頭と、昨年の覇者もいる。
第47回エリザベス女王杯(11月13日、阪神芝内回り2200m、3歳以上牝馬GI)には、ワクワクするような豪華メンバーが揃った。
京都競馬場が改修工事中のため、今年もゴール前に上り坂のある阪神コースで行われる。宝塚記念と同じ舞台だ。
状態さえまともなら、この馬が一番強い
1番人気に支持されるのは、今年の宝塚記念で3着と、復活の気配を見せたデアリングタクト(5歳、父エピファネイア、栗東・杉山晴紀厩舎)か。
2020年に史上初めて無敗の三冠牝馬となったあと、ジャパンカップでアーモンドアイ、コントレイルに次ぐ3着となり、さすがと思わせた。
しかし、翌21年の金鯱賞で2着、香港のクイーンエリザベス2世カップで3着となったあと脚部不安で長期休養に入る。復帰戦は今春のヴィクトリアマイルで、6着。次走が、前述したように、3着となった宝塚記念。そして、秋初戦となったオールカマーで6着となったあと、ここに駒を進めてきた。
そのオールカマーでは後方から外を回り、勝ち馬から6馬身ほど離された。が、1~3着の馬番が2、1、3だったことが示すように、内で上手く立ち回った馬が好結果を出す「トラックバイアス」の差だったとも言える。勝負どころから押し上げて行く脚には、本来の迫力が戻っていた。この結果に関しては、杉山調教師も「悲観はしていません」とコメントしている。
1週前追い切りでは主戦の松山弘平を背に、ウッドチップコースで3頭併せの真ん中に入れて闘志を引き出した。当週の本追い切りでは調教助手を背に坂路を駆け上がり、態勢を整えた。
状態さえまともなら、この馬が一番強いはずだ。感動的な「復活劇」に期待したい。