高橋藍のカラフルデイズBACK NUMBER
「取材では常に『自信がある』と言ってきましたが、本音はまだまだ」バレー代表・高橋藍(21歳)が目指し続ける“強い自分”
text by
高橋藍Ran Takahashi
photograph byKiichi Matsumoto
posted2022/11/04 06:00
今シーズンは開幕戦からチームに合流した高橋藍。自分のため、日本代表のためにさらなる飛躍を誓った
日本代表期間からフィジカルコンディションも整っていて、イタリアに来てからも定期的なトレーニングが自分の身体にもフィットした。状態の良し悪しをはかるのはやはりオフェンスが基準になるのですが、チームに合流してからも常にボールが見えている、しっかり叩けている感覚がつかめた。相手のブロックがどんな風についているか、観察しながら打ち分けることもできてとてもいい状態をキープしたまま開幕戦を迎え、その成果が試合でも存分に発揮されました。
リーグ開幕前の練習試合から、セッターのダビデ・サイッタ選手とコンビを合わせてきたので、望み通りのパフォーマンスを試合の最初から最後まで発揮することができた。そして何より力になったのが、ホームでの大きな声援でした。
この数年コロナ禍で、無観客や声を出せない応援が続いていましたが、イタリアではスポーツを取り囲む環境はもう以前と同様のスタイルに戻っています。スタジアムやアリーナには多くの観客が詰めかけ、太鼓を叩いたり、音を鳴らしながら声援が響く。身体の調子がよかったこともありますが、僕は盛り上がった場所でプレーするのが本当に好きなので、満足のいくパフォーマンスを発揮できたと思います。試合も3対2で勝利することができました。
王者にも白星「勝負することを選んでよかった」
2戦目のルーベとの試合では、試合の立ち上がりはあまり調子がよくなかったのですが、徐々に状態が上がり、身体のキレもよくなった。結果的にスパイク得点やサーブレシーブの返球率で高い数字を残すことができただけでなく、モデナに続いて強豪のルーベにも3対2で勝利することができた。
まだまだもっとパフォーマンスを上げ、結果を求めていきますが、開幕から勝負することを選んでよかった、と思える結果を得られた。1試合1試合、1つ1つの経験が実を結んでいる、成長できている、と実感することができました。