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「ミトマの話で持ちきり」「アイツ、一体何者!?」プレミア強豪がア然も…三笘薫「手応え? 全然感じてない」ワケ〈W杯へ現地リアル評〉 

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田嶋コウスケ

田嶋コウスケKosuke Tajima

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2022/11/03 11:04

「ミトマの話で持ちきり」「アイツ、一体何者!?」プレミア強豪がア然も…三笘薫「手応え? 全然感じてない」ワケ〈W杯へ現地リアル評〉<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

日本代表でも活躍が期待される三笘薫。最高峰プレミアリーグの強豪もそのアタッキング能力に舌を巻く

 活躍したトッテナム戦後も「トップ4を目指すチームを相手に手応えを感じたか?」の問いに、「後半で相手の強度が落ちていた状態だったので、これぐらいはできないといけない。最後こういうところでゴールを決め切るのが自分の役割なので物足りない」と冷静に振り返った。

 別の試合でも、似たようなやり取りが続いた。

 途中出場でイングランド代表DFキーラン・トリッピアーをドリブルでぶっちぎったニューカッスル戦(8月13日)でも、厳しい自己評価は変わらなかった。「相手はイングランド代表で、守備に定評がある。マッチアップを制して自信につながったのでは?」と聞くと、このように控えめに話した。

「相手は日差しの強いところで前半からやっていたので、相当疲れていたと思う。その状態なら自分が勝たないといけない」

チェルシー戦で初アシストも「手応えは全然…」

 国内リーグで初めて先発し、アシストをマークして4-1の勝利に貢献したチェルシー戦を終えた後も「手応え? 全然感じてない。アシストは付きましたけど、そこまで良いプレーも多くなかった。フィジカル的にも結構きつい中でやっていた」と語り、最後まで笑顔を見せなかった。

 反対に三笘の口をついて出てくるのは、「もっと、もっと」、「毎回が勝負」、「さらに上がっていける」、「結果を出さないといけない」といった高みを目指す言葉である。チームの勝利に重きを置き、まるで孤高のサムライのように自身の可能性を追求している。それが三笘だ。

 一歩一歩、前に進んでいる三笘だが、約3週間前に予想外のアクシデントに見舞われた。10月14日のブレントフォード戦で相手選手と激しくぶつかり、右足首を痛めた。試合後は患部を悪化させないようにと、大事をとってプロテクターをつけて松葉杖姿でスタジアムを後にした。厳しい表情でバスに乗り込む三笘を目撃したときは、W杯に影響が出るのではと最悪のケースが筆者の頭をよぎった。

 しかし、翌日に行われた診察の結果は「足首の捻挫で10~15日の離脱」。「W杯に間に合う」とドクターに告げられると、三笘はホッと胸をなでおろしたという。

 約2週間後のチェルシー戦で実戦復帰を果たしたものの、チームの全体練習に復帰できたのは試合のわずか2日前だった。本人が「全然100%ではない」とチェルシー戦後に語ったように、コンディションはまだまだ万全ではない。プレミアリーグの試合が続き、11月20日にはW杯が開幕する。自身の状態をいかに上げていくか。

 そこに今、三笘は全身全霊を注いでいる。

W杯スタメンを「まだ諦めていない」

 W杯開幕を前に、日本代表でも挑戦が続いている。

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