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ゆるキャラ25体が国立競技場でリレー競走!「コロナ禍で活躍の場がない…」ゆるキャラたちが参戦した“絶対負けられない戦い”
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byHirofumi Kamaya
posted2022/10/30 17:00
ゆるキャラによるリレーの様子。参戦したゆるキャラたちに話を聞くと、皆一様に苦況とこのリレーにかける思いが口をつくのだった
ところでヴェルディのマスコットといえばコンドルをモチーフにした「ヴェルディ君」が有名だ。1993年のJリーグ開幕以来、サッカーファンに親しまれてきたあの勇ましきクチバシはどこへ? 実は、2020年限りでひっそりと勇退し、「リヴェルン」に代替わりしていたのだ。
「リヴェルンが誕生したのは2020年の5月なんですが、コロナ禍だったこともあり、あまり知られていなくて……。これから皆さんに知名度を高めていきたいです」(東京ヴェルディ担当者)
帽子も吹き飛ぶ力走は、襲名披露の誓いを込めた“お練り”だったというわけか。
国立に立てるのが嬉しいあわ!!
未知のウイルスに翻弄されてきたのはスポーツ界のキャラだけではない。7レーンの第7走者として登場したのは、新宿区食品衛生協会の手洗い推進マスコット「新宿あわわ」。正しい手洗いを普及するゆるキャラとあって、コロナ禍ではさぞ出番が多かっただろうと思いきや、そうでもないらしい。石鹸の泡の如くぷくぷくとした「あわわ」を誘導する「あわわお姉さん」こと中野向日葵さんが話す。
「あわわは8年前からいるキャラクターで、コロナ禍で大活躍できるはずが、イベント自体が全くなくなってしまって……しばらくオンライン配信やツイッターで活動していたんです。“新宿はホームグラウンドだから、国立に立てるのが嬉しいあわ!!”とあわわも喜んでいます」
手洗いキャラが、コロナ禍で出番を失っていたとは、なんとも切ない。お姉さんに手を引かれ嬉しそうにトラックを跳ねる至福の時間に、「あわわ」の鬱憤は、泡のように弾け飛んでいったのだった。
ほぼヒト型の“ゆるキャラ”まで現れ…
勝負の行方は最終コーナーへ。と、待機するアンカーの中に異様な男が現れた。
「え? 何あれ! やばい」、「チートじゃん!」
観客たちに疑惑の視線を注がれた半獣半人、いやほぼヒトであるマッチョマン。果たしてこの男の正体は……。
<最終回「決着編」へと続く>
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。