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“道しるべ”だった中村俊輔の引退にいま、中村憲剛が思うこと「たまらなく嬉しかったのは…」「俊さんとの対戦は憂鬱、なのに楽しい」
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byAFLO
posted2022/10/27 11:04
2014年8月23日、J1第21節でマッチアップする中村俊輔と中村憲剛。同試合は横浜F・マリノスが2-0で川崎フロンターレに勝利した
1年でも早く見てみたい「監督・中村俊輔」の活躍
僕は大卒でプロになって、40歳で現役から退きました。俊さんは高卒でプロ入りして、26年も現役を続けた。身体は消耗しているはずなのに、それだけ続けられたのは、頭と、技術と、サッカーを見る眼が、ホントに卓越していたからでしょう。卓越では足りませんね。超越していたのだと思います。
俊さんは僕にとって、憧れであり、チームメイトであり、ライバルでもあり、道しるべでもありました。プロ入り後は、「左(利き)の中村」に対して「右(利き)の中村」と言われるぐらいにならないと、と思っていました。メディアのみなさんに、そうやって比較されることもありましたので。
すでに指導者ライセンスをB級まで取得していると聞きました。俊さんが指導者になったら、どんな選手を育てるのでしょう。どんなチームを作るのでしょう。楽しみです。
Jリーグのチームを指揮するには、国内最高位のS級ライセンスの取得が前提になります。僕は俊さんよりひとつS級に近いA級を受講していて、講習会はとても勉強になります。そのうえで言うと、俊さんほどの実績を持つ人なら、飛び級でS級を受講してもらってもいいのでは、と思ったりもします。「監督・中村俊輔」を、1年でも早く見てみたいですからね。
それはともかく、俊さんは本当にサッカーが好きなので、何をやっても素晴らしいものを日本サッカー界にもたらしてくれるはずです。
俊さん、僕も含めて多くの人にサッカーの素晴らしさ、楽しさを伝えていただきありがとうございました。そして、長い現役生活、本当にお疲れさまでした。
俊さんに負けないように、僕も頑張っていきます。
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