プロ野球PRESSBACK NUMBER
ロッテ吉井理人監督が57歳となった今も“筋トレ”を続ける理由とは?「自分の身体も管理できないのに、人を管理できるか」「投手は懸垂」
text by
千葉ロッテマリーンズ取材班Chiba Lotte Marines
photograph byJIJI PRESS
posted2022/10/24 17:00
就任会見でポーズを決めるロッテ吉井理人監督(57歳)
ちなみに現役投手に推奨するトレーニングは懸垂だ。しっかりと背中を利かせながら姿勢を正し、回数は5回程度。腰に重りをぶら下げながら行うこともある。
「懸垂はぶら下がりも入れながら行うと柔軟性も上がる。肩甲骨の安定。胸のあたりや腕。ピッチャーにとてもいいトレーニングだと思う」
指揮官には自身の体験も含めて現役選手にもウェイトトレーニングに積極的に向き合って欲しい思いがある。
「感覚的な部分もあるので強制はしないけど、出来たらウェイトトレーニングに取り組んで欲しい。筋力、強さは大事。筋力がつくと回復力も上がる。同じ出力でもエンジンがデカい方がいい。わしよりも大きくなって欲しい」
そう言って吉井監督はニヤリと笑った。
趣味の延長と口にするウェイトトレーニングだが、もちろん明確なポリシーはある。
「指導者としてみっともない身体にはなりたくないという思いがある。自分の身体と向き合うことも大事。自分の身体も管理できないのに、人を管理できるかということ。だからマリーンズのコーチ陣はみんなシャープでいて欲しい」
マリーンズには指揮官以外にも自身の身体をしっかりと管理するコーチは多い。「ウェイト部だね」と目を細めながら、同じ想いで意思疎通を図る。
「いい心がけだ。毎日、やれよ」
最後に、身体のための日課はウェイトだけではないことも紹介させていただく。若い選手たちが試合を重ねる宮崎フェニックス・リーグを視察した際は朝6時から30分程度、青島海岸のお決まりのコースで散歩を重ねた。
すると、そこで選手たちの姿を見かけることがあったという。まだ日が昇ったばかりの朝早くに身体を温める選手たちを見て感心した。「いい心がけだ。毎日、やれよ」と声掛けする吉井監督は実に嬉しそうだった。ウェイト室で積極的に身体を鍛える姿。青島海岸で目をこすりながら散歩する姿。そんな選手たちの背中に温かい視線を送っている。
就任記者会見ではポーズを求められ、ボディービルダーのポージングをとって笑いを誘った。理論派・吉井監督の指導によって選手たちにどんな変化が生まれるか。新生マリーンズの戦いが今から楽しみだ。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。