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〈パリ世代欧州組〉斉藤光毅と田中聡に現地で直撃「もちろんW杯に出たい。ただCL決勝で…」「遠藤航さんみたいに」
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAtsushi Iio
posted2022/10/24 11:04
それぞれオランダとベルギーで研鑽に励む斉藤光毅と田中聡に現状を聞いた
フローニンゲン戦で今季初スタメンを勝ち取ったものの、その後のインターナショナルマッチウイークでU-21日本代表の活動に参加したためか、リーグ戦再開後は再びスーパーサブ的な立ち位置に戻っている。
加入して3カ月。確固たるポジションを築けていないことは、本人も自覚していた。
「まだまだ全然足りないですね。もっとスタメンで出て、絶対的な選手にならないと。サポーターは盛り上げてくれていますけど、自分自身に満足できていない。自分がチームで一番うまい自信はあるんですけど、まだ出し切れていないというか。その自信をプレーで出せるようにしていきたいと思います」
パリ世代のイタリア戦で感じた「力の差」とは
一方、年長者であるU-21日本代表では、個人のパフォーマンスだけでなく、チームを引っ張っていくことも期待されている。
9月22日のスイス戦では左ウイングのポジションから中央に潜り込んでスルーパスを繰り出し、細谷真大のゴールを演出した。だが、26日のイタリア戦では前半に負った打撲の影響もあり、ハーフタイムに退いた。
「イタリア戦の前半に感じたのは、チームとしての力の差。チーム全体で少しビビっていたというか。プレー強度だけでなく、メンタルで遅れを取るのが一番よくないことなので、海外のチームとどんどんやって慣れていくしかないと思います。僕自身は気後れはまったくなかったですけど、ここで試合に出てもっと自信をつけて、チームを引っ張っていけるようにしたい」
「W杯にも出たいですよ。ただ、CL決勝で…」
かつてサッカー選手の目標と言えば、「日本代表」「W杯出場」だったが、最近の若い選手はW杯よりもチャンピオンズリーグを先に挙げる選手が多い。斉藤もそうしたタイプだ。
「もちろん、W杯にも出たいですよ。ただ、チャンピオンズリーグ決勝で点を取ることが一番大きな目標です。そのための近い目標として、まずはチームの幹となるような存在になりたい。そうなれる自信もある。ただ、自信があるのにできないもどかしさを今、感じています。チームにフィットするプレーを出し切れない自分にイライラするというか。でも、ここを乗り越えられたらステップアップも見えてくると思うし、今はもがき続けたいと思います」
自ら「もがき続けたい」と語ったところに好感が持てた。もがくことは決して悪いことではない。もがき苦しむことでしか到達できない世界があるからだ。