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アマチュアでも野球力爆上がり! 動作解析とトレーニング支援を誰もが体感できる「ネクストベース・アスリートラボ」の実態とは 

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熊崎敬

熊崎敬Takashi Kumazaki

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photograph byNEXT BASE

posted2022/10/20 17:00

アマチュアでも野球力爆上がり! 動作解析とトレーニング支援を誰もが体感できる「ネクストベース・アスリートラボ」の実態とは<Number Web> photograph by NEXT BASE

最新機器を用いて動作を解析、その後評価と提案を行うことで、アスリートのパフォーマンスを向上させるメソッドを提供している

「世界最先端の機器がそろっており、これほど精度の高い測定、分析を行い正しいフィードバックをもらえる施設はいま現在、日本にはないと思います。アメリカには、あのダルビッシュ投手やバウアー投手が通ったことで脚光を浴びたドライブラインという施設がありますが、私たちとしてはそこに負けない施設にしていきたい。それだけのことをやっている自負はあります」

 アスリートラボでは世界最先端の機器で選手の体力や動きを測定し、スポーツ科学に基づいて評価。森本氏をはじめとした専門的知見を有するアナリストたちが、選手個々の特性に合わせてパフォーマンス向上策を提案し、それに沿ったトレーニングを提供している。

 最先端のデータやテクノロジーが、試合の行方や選手の能力にどれくらい影響を及ぼしているのか、実際のところ関係者以外には見えづらいところがある。

 だが森本氏によると、ネクストベースがデータや動作解析などを駆使してサポートした選手に、才能を大きく開花させた投手がいるという。埼玉西武ライオンズのセットアッパー、平良海馬だ。

自己認識と計測結果の大きなズレ

 2018年、ドラフト4位で八重山商工から西武に入団し、3年目の20年に新人王を受賞。昨年は39試合連続無失点という日本記録を樹立するとともに、東京五輪の金メダルに貢献し、今季は同僚の水上由伸とともに最優秀中継ぎ投手賞に輝いた。いまや日本を代表するセットアッパーといっていい。

 平良がネクストベースと初めて会ったのは、プロ2年目のシーズンに向けてアリゾナで自主トレを行なっていたときのこと。

「当時の平良投手は、高校時代はもちろん、プロ1年目の二軍でもストレート(フォーシーム)で空振りをたくさん取れていたので、伸びるような球筋のストレートを投げていると思っていました。ところが実際に測定してみたところ、本人のイメージとはかけ離れた球質でした。回転が汚い、いわゆる真っスラに近いボールで、ホップ成分も平均以下。この結果に、本人は衝撃を受けたんです」

 アナリストとして、プロからアマまで多くの選手を診てきた森本氏によると、プロ選手でも本人の感覚と実際のデータが乖離しているケースは決して少なくないという。

「ものすごく鋭い感覚を持っている選手もいますが、そうではない選手も実は多く、そのあたりは選手によってまちまちです。平良投手が実際のデータと異なる感覚を持つことになったのは、高校やプロの二軍で力の差があるバッターと対戦してきたからだと思います。力量に差があると球質に多少の難があっても、持ち前のスピードで次々と空振りが取れてしまう。こういうケースは非常に多いですが、データとすり合わせていくことで感覚が鋭くなっていく選手もものすごく多いわけです」

【次ページ】 野球のドクターのごとく

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