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「なぜ中日の1位指名は高校生サードなのか?」「日本ハムがあの甲子園ヒーローを3位指名」ドラフト全指名予想《日ハム・中日・ロッテ編》
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byKYODO
posted2022/10/19 11:04
ドラフト目玉候補の内藤鵬三塁手(日本航空石川高・180cm100kg)
7月の学生ジャパンのオランダ遠征、メンバーのバットマンたちが、口を揃えて「いちばんえぐいボール投げてましたよ……」と一目置いていた。
140キロ後半はそんなに多くはないが、スライダー、カットボール、ツーシームにフォークを低く集めながら、丁寧、丹念に投げ進め、打ち損じを重ねて試合を作る。
遠目に見ると「まとまった好投手」という評価のようだが、ほんとのところ、インパクトでねじ込んでくるような破壊力を秘めた「剛球」。球威と集中力が長続きして、ロングイニングも黙々と投げ続ける。古典的な先発タイプの典型として、頼もしい投手だ。
先に3位・関根智輝(ENEOS)から。1位・菊地吏玖といいコンビになりそうだ。守るバックに声をかけながら、淡々と黙々と投げる菊地吏玖に、負けん気を発散させながら外向きのエネルギーで真っ向勝負の関根智輝。武器は150キロ近い快速球と140キロ前半の高速沈む系だ。共に、意気に感じて奮投できる剛腕と快腕である。
ロッテ2位指名は「プロでもトップクラスの快足ランナー」
今季、リードオフマンに定着した高部瑛斗外野手。44盗塁をきめたリーグ盗塁王と1、2番を組ませて、併殺ムリ、送りバントでもちょっとの隙で一、二塁……1年目からプロトップクラスの快足ランナー間違いなしの2位・林琢真(駒澤大)は大きな戦力になる。
二塁手を任せて、打線の軸である中村奨吾を一塁手にして、守りの負担を小さくしてあげたら……本人がそれを望むかわからないが、そうしたくなるほどの俊敏・正確な守備ワークと意外性十分の「強打」の持ち主だ。
4位・田中晴也(日本文理高)と5位・吉川悠斗(浦和麗明高)は、3年目以降の戦力として期待。
田中晴也は、高校生ばなれした長打力も兼備して、投・打どちらを取るのか、そこにも注目。私なら、即決で「投」だ。
ファームの地元・浦和には大きなお菓子工場もあって、浦和麗明高もあまり離れていない。ややインステップしながら、鋭い球筋のクロスファイアーが投げられるのは稀少価値。左打者は踏み込んでいけないタイプのサウスポーだ。
6位・甲斐生海(東北福祉大)は、今夏のオープン戦から本塁打連発。ロングヒッターの素質開花の兆し十分の成長カーブが魅力。今季、一軍で16本塁打の4年目・山口航輝、イースタンで8本塁打、25二塁打の2年目・西川僚祐……長距離砲として台頭しつつある2人を追走できる「アーチスト」の素材だ。
<広島・楽天・巨人編へ続く>