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「なぜ中日の1位指名は高校生サードなのか?」「日本ハムがあの甲子園ヒーローを3位指名」ドラフト全指名予想《日ハム・中日・ロッテ編》
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byKYODO
posted2022/10/19 11:04
ドラフト目玉候補の内藤鵬三塁手(日本航空石川高・180cm100kg)
「一番手で2位指名できる日本ハムは誰を選ぶ?」
【日本ハム 2022年ひとりドラフト指名選手】
✕ 吉村貢司郎 24歳 投手 東芝 183cm85kg 右投右打(ヤクルトとの抽選に敗れる)
1位 蛭間拓哉 22歳 外野手 早稲田大 176cm87kg 左投左打
2位 荘司康誠 22歳 投手 立教大 188cm86kg 右投右打
3位 山田陽翔 18歳 投手 近江高 175cm78kg 右投右打
4位 佐藤廉 23歳 投手 ヤマハ 178cm70kg 左投左打
5位 臼井浩 28歳 投手 東京ガス 168cm75kg 右投左打
6位 金田優太 17歳 遊撃手 浦和学院高 183cm76kg 右投左打
(※なお、日本ハムは日体大・矢澤宏太投手の1位指名を公表しています)
【日本ハム 総評】
新庄剛志監督が言うところの「実験の年」は、12球団ワーストの59勝81敗3分けに終わった。
確かにキャンプから紅白戦のスタメンをくじで決めてみたり、ペナントレース中も打線は日替わりで楽しませてくれた。
清宮幸太郎がチーム最多の18本塁打、55打点(打率.219)を放ち、ドラフト9位ルーキー・上川畑大悟(日本大→NTT東日本)が打率.291と、守備率.993の堅実なフィールディング(71試合で2失策)で、「ショート」のポジションを掴みかけている。
とはいえ、来年は北広島市に新球場ができ、新たな「ファイターズ元年」となるだけに、今季のままの流れでよいわけがない。
新庄剛志監督リクエストの「試合を作れる投手」を求めて、1位は吉村貢司郎(東芝)でいったがヤクルトに奪われ、繰り上げ1位で、野手の蛭間拓哉(早稲田大)に方向転換したのは、日本ハム球団の「社是」ともいえる「1位はその年のいちばんよい選手」という理念に沿ったものだ。
今秋は試合に臨む気迫空転か、タイムリーな仕事ができずにいる蛭間だが、走攻守の総合力、浦和学院当時から鍛え抜かれた勝負度胸、さらにはリーダーシップ。「今年の一番」にふさわしい選手だろう。
今回のドラフトでの2位指名は、ウエーバー順で先頭になるので、通算13人目の選手を指名できる。「試合を作れる投手」という監督リクエストから若干逸れるかもしれないが、最速157キロの速球で勝負できる2位・荘司康誠(立教大)のスケールと伸びしろを買った(※なお、楽天は荘司投手の1位指名を公表しました)。
先発の立ち上がりで、球数が多くなる不安定さは、今秋になって、いくらか改善の兆しを見せており、角度があって、カットボール、フォークを交えてコンビネーションも作れる投手になりつつある。
あまり気づかれていないようだが「裏芸」として、荘司のスイングは素晴らしい。タイミングの外れたファールでも、神宮の左翼ポール際スタンド上段まで運べて、長距離ヒッターの素質がキラリ。
“即戦力候補に人材の少ない”今年の4位、5位事情
大命題の「試合を作れる投手」。関根智輝(ENEOS)、河野佳(大阪ガス)を3位指名直前に、ロッテ、中日に立て続けにやられた。
それでも試合を作れる投手なら、高校生にもいる。折り紙付きのマウンド度胸と勝負根性……3位に甲子園ヒーロー・山田陽翔(近江高)だ。